ニュース 2024.10.05. 19:53

「野球が大好き→上手くなりたい」と子どもが思うために必要なこと

無断転載禁止
9月11日に初めての著書となる『弱小チーム出身の僕がプロ野球で活躍できた理由』(辰巳出版)を出版した元東北楽天ゴールデンイーグルスの聖澤諒さん。本の中では現在コーチとして指導している楽天イーグルスアカデミーのことにも触れています。そんな聖澤さんに子どもを指導しているなかで感じていること、子どもが野球を好きになるために保護者や指導ができることなどについて、お話を伺いました。(撮影=黒澤 崇/提供=辰巳出版)




まずは自分の体を上手く動かせるようになること。そこから意識


——聖澤さんの少年時代と今の時代の子ども達、どんなところに違いを感じますか?

野球の練習中にあまり声が出ないことですね。僕の子どもの頃は、例えばノックの時はノッカーに対して大きな声で「お願いします!」「さぁこい!」みたいな声を出していました。でもいまはノックを無言で受ける選手や声を出しているのか聞こえないような小さい声だったり。彼等が所属しているチームを覗いてみると、アカデミーで声を出せていない子も一生懸命に声を出しているんですよね。

——アカデミーでは学校も違う、チームも違う子達が週に1回顔を会わせる場でもあるので、子ども特有の恥ずかしさという部分もあるのかもしれませんね。

それもあると思います。でもやっぱり野球における声の重要性を理解できていないことが原因のような気がします。ノックを受けていれば守備は上手くなる。上手くなるのに声は関係ない。つまり声を出すことと野球が上手くなることの繋がり、関係が理解できてないのかなと思います。

——令和の時代の子ども達を指導する上で意識していることや苦労していること、逆にやりやすさを感じていることはありますか?

チームに所属している子、していない子。将来は強豪高校やプロへ行きたいという子もいれば、楽しいから来てくれている子。30人のクラスであれば30人それぞれに目標や目的があって、それが必ずしも一つの方向を向いていないことが難しいところですね。目的や学年などに応じてクラスは別れていますが、同じクラスの中でもいろんな子がいますから。

——今の子ども達の運動能力はどのように感じていますか?

かなり落ちていると思います。頭の中で考えたことを体で表現する、反応することが遅い。思ったように体を上手く動かせない生徒が多い。スキップをすると手と足が一緒に動いてしまったり、ステップしてボールを投げることができない子が多いですね。思ったとおりに体を動かせないから、「こういうふうにバットを出してごらん」「こうやって動いてこうするんだよ」と言ってもなかなか上手くできないですよね。
運動神経が昔よりもかなり落ちていると思うので、まずは自分の体を上手く動かせるようになること。そこから意識して教えないといけないと思っています。
ポスト シェア 送る

もっと読む

連載・コラム
カラダづくり
練習
お役立ち
チーム紹介
TOPICS