ニュース 2024.11.09. 20:12

小・中学生も知っておきたい「コーチャー」の役割と種類


【コーチャーはどこに立つ?】




——状況に応じてコーチャーはコーチャーズボックスのどの辺に立つべきかまで指導されている少年野球チームはあまりないと思うのですが、簡単に説明していただけますでしょうか?

川島 コーチャーズボックスは3m×6m(学童野球は1.22m×2.44m)あるんですけども、ランナーがいない場合はバッターへの指示、アドバイス、激励という打者とのコミュニケーションが重要になるので、一塁コーチャーも三塁コーチャーも一番バッターボックス寄りの、コーチャーズボックスの角に立ちます。

——ランナー二塁のは場合はどうなりますか?

川島 二塁ランナーは一塁、三塁両方のコーチャーが見ることになりますがそれぞれ役割が異なります。一塁コーチャーは二塁ランナーに対してセーフティーリードの位置を示してあげることが必要になります。
例えば第一リードが3メートルというふうにチームで決まっていたとしたら、一塁ベースから3メートルホーム側に移動したところに立って手をあげて「ここまでが第一リードの距離だよ」と二塁ランナーに示してあげる。第二リードが5メートルという決まりごとがあるのであれば、もう2メートル移動して「第二リードはここまでだよ」と示してあげる。そこの基準を明確にしてあげないと、ランナーによって第一リード、第二リードの位置がバラバラになってしまいます。それは得点の機会にも大きく影響してきます(上記のリードの距離は一例です。その距離はチームによって異なりますので、練習の中で指導者と選手でその距離を決めることが理想です)。

——かなり高度なことですが分かりやすいですね。

川島 だからチームとして第一リード、第二リードの距離をまずは決めておく。コーチャーはそれを理解してセカンドランナーにしっかりと伝えるということが大事になってきます。でもそこまで徹底できているチームは高校でもあまりないですね。

——学童野球でそこまでコーチャーに求めるのも難しいかもしれませんが、でも一塁コーチャーって「リーリーリー」「バック」とか牽制のときに声を出すだけじゃなくて、状況や目的によって立つ位置が変わるんだよと教えてあげるだけでも、勉強になる気がしますね。

(聞き手:ヤキュイク編集部)

※後編「コーチャーズボックスは野球が上手くなる特等席」に続きます

著者プロフィール


川島敏男(かわしまとしお)
東京都杉並区出身。日本大学第二中学校-日本大学第二高等学校-明治大学野球部出身。遊撃手をしていた13歳、中学1年生の秋に右肩を故障。一冊の本に出合い、三塁コーチャーの道を志す。高校2年の夏に三塁コーチャーとして甲子園に出場する。明治大学野球部のセレクションも三塁コーチャーとして受け、大学創立100周年の年に入部する。2年連続大学選手権優勝を経験する。高校野球部のコーチ・助監督として、指導者としても甲子園出場を経験。現在は、超機働力~0.2秒を制する三塁コーチャーバイブルセミナーや、野球AIアナリスト分析資格講座をオンラインやリアル開催している。受講したチームから甲子園出場、全国大会で活躍したチームを輩出している。一般社団法人蒼空希望学園理事長。U-15・U-12公認野球指導者。




「三塁コーチャーバイブル ランナーコーチャーの思考と判断: 超機動力 0.2秒を制する」
川島敏男 (著)

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