色んな種目を幅広く、色んな身体の使い方を体験して
——将来高校野球で頑張りたいなと思っている子どもは、小学校の時にどんなことをやっておくと良いでしょうか?
柔軟性も大事ですけど、ゴールデンエイジ期に、例えばボールであればボールを使った遊びであったりジャグリングだったり、そういった神経系を刺激するような遊びをたくさんやった方が良いと思います。野球をやるにしても野球だけにとどまらず、サッカーをやったり、バスケットボール、水泳、体操、バドミントンなどいろんなスポーツをやった方がいいと思います。その年齢にあったことをたくさんやるのがいいかなと思います。
——「急がば回れ」ということですね。高校で野球を頑張りたいのであれば小学校時代は野球だけではなく幅広く色んなスポーツをやる。
そうですね。色んな種目に幅広くチャレンジして色んな身体の使い方を体験して欲しいですね。あとは、親は自分の子どもだけに関わらないことですね。
——どういうことでしょうか?
よくボールの渡し方に例えて親御さんに言わせてもらうんですけど、例えば親が子どもにボールを渡すときに「がんばりな」って自分の手のひらにボールを置いて、それを子どもが上から掴んで欲しいんです、イメージとしては。野球ではボールは上から掴みますから。でも今の親は逆で、子どもに手を開かせて「がんばりな」って手のひらにボールを置いてあげるんです。上から掴むべきボールなのに、手のひらに乗せてもらっていたらボールも正しく投げられないですよね。それに例えて「子どもにしっかり物を掴ませてください。子どもにしっかりと上からボールを掴ませるようなイメージで、お子さんに接してあげてください」と話しています。
——子どもに持たせるのではなくて、子どもに掴ませることが大事ということですね。
子どもが掴むように親が誘導するのは良いと思うんです。でも露骨に「あなたはこれを持ちなさい」「あなたが持つのはこれです」とやってしまうと、野球が上手い子どもは育たないのではないでしょうか。(取材/写真:永松欣也)