【野球教室を開くことが地域貢献に繋がる】
主催したOB会の遠藤一樹さんは、10年以上続けているこの野球教室を開催することになったきっかけや目的をこう話してくれました。
「野球部を地域に根付いた、愛されるチームにしたい、応援されるチームにしたいという思いがまずありました。応援されるためには地域貢献ということが大事な取り組みになると思いましたし、OBの多くが大学、社会人でも野球をやっていましたから、地元の子ども達に野球教室を開くことが地域貢献に繋がるのでは、と考えたことが始まりです」
参加したチームのある指導者は、翌日にこんな感想を話してくれました。
「今年で三回目の参加ですが、子ども達はOBの皆さんから教えてもらったこと、例えばピッチャーだったら足を上げたときのバランスだったり、内野だったらゴロを捕る時の足の運びだったり、毎回何かしら『宿題』をもらって帰っていますし、間近で全国トップクラスの高校の練習も見れたことで、『こうなりたい!』『こうしたい!』という目標もできたようです。昨日の午後からの練習はいつもより元気で気合いが入っていました」
また、こういった地域単位での野球教室は、監督同士の横の繋がりが広がる貴重な場でもあると教えてくれました。
「お父さんが監督をやるチームも多くて、子どもの卒業と同じタイミングで辞められることも多いんです。そうなるとそれまであった監督同士の横の繋がりがなくなってしまう場合もありますから、こういったイベントのお陰で他チームの指導者さんと知り合えてまた新しい横の繋がりができるんです」
子ども達が野球をより頑張るようになり、指導者たちは新しい繋がりもできる。それは野球教室が「地域貢献」に繋がっていることの証でもあります。年に一回行われる中央学院OBによる野球教室は地域の少年野球にとって欠かせないものになっていました。(取材・写真/永松欣也)