ニュース 2025.02.22. 12:26

「できなかったことができるようになった」そこに野球の楽しさがあるはず|河原哲大監督(レッドスネークコルツ)

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ベストコーチングアワード殿堂入りを果たすなど、コーチングと子どもの怪我・故障防止に積極的に取り組んでいる横浜市旭区で活動する軟式少年野球チーム「レッドスネークコルツ」。チームを率いる監督の河原哲大さんにお話を伺いました。




【技術がついて上手くなれば楽しくなる】


——このチームの指導方針を教えてください。

「エンジョイベースボール」ですね。監督になって6年になりますが、就任当初は自分が子どもの時にやらされていた野球を完全に否定したかったというのがありました。怒声、罵声という追い詰められた環境の中でやっても自分は上手くならなかったですしね。やっぱり子どもながらにそういうのは理不尽だと思っていましたし、もっと楽しくやったほうが絶対に上手くなるって思っていましたから。

——練習では捕る、投げる、打つ、色んなドリルがありましたね。

「野球の楽しさって何?」というところにも繋がってくると思うんですけど、ありがたいことに色んな素晴らしい指導者の方に巡り会えて、そのなかでも三好貴士さん(前ミネソタ・ツインズ傘下ウィチタ・ウィンドサージ /現シンシナティ・レッズ ルーキーリーグコーチ)にいろんなことを教えてもらいました。「楽しさの定義、楽しさを間違えるな」という言葉が心に残っていて「楽しくやるっていうのは緩くやるとか、何やっても笑ってやるとかそういうことではなくて、できなかったことができるようになった、というところに楽しさって絶対にあるはずだから、そこを上手く教えられるようになったらいいんじゃないの?」 って言われて。

——良い言葉ですね。

それまでの自分は、自分がやらされてきたことを否定したくて「楽しくやれば子どもは絶対に上手くなる!」と思ってやっていたのですが、実際はあんまり上手くさせてあげることができなかったんです。でも三好さんにその言葉をもらってから、できなかったことができるようになるように、ティーチングなりコーチングをしてあげれば、子どもってもっと楽しくなるんだな。技術がついて上手くなれば楽しくなる。できることが増えれば楽しくなる。そういうところからドリル練習にいきついています。

——ドリルは監督が考えた自己流が多いのでしょうか?

さきほどの三好さんや「根鈴道場」の根鈴雄次さんであったりとか、アメリカでもやっていて日本の独立リーグでやっていた後輩などに、色んなドリルや練習方法を教えてもらって、それをチームに落とし込んでやっています。

——いわゆる日本式の「野球」というよりは「ベースボール」のエッセンスを意識して取り入れている?

そうですね。ただ、最初は日本の昔のやり方は完全に否定したいと思っていたんですけど、でも理不尽な指導の中で出来るようになったこともあったんだなと、あの指導の中にはこういう要素があったんだと、子ども達に教えていて気づいたこともありました。ですから単純に日本式のやり方がダメで、アメリカ式のやり方が正しいというふうには思っていません。

———昔の指導にも良い部分もあった?

そうですね。言い方をよくすれば日本式とアメリカ式の「ハイブリッド型」ということですね。先ほどの三好さんはアメリカでやられている方ですけども、そんな三好さんには「勝つことは大切なこと」「皆で協力してやることで成長する素地ができる」など、「野球」をする上でスキルだけではない大切なことも学ばせてもらいました。



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