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少年野球の保護者負担、子どもが集まるチームはどうなってる?|ブエナビスタ少年野球クラブ編

<お父さんコーチへの指導方針の共有

任意参加にもかかわらず多くのお父さんコーチが集まるのはなぜだろうか? お父さん達は「負担」だとは捉えていないのだろうか?

「体験に来ていただいた保護者の方にも『お茶当番はありませんが保護者の負担が0ではありません』とはお伝えしていますし、入部の際に『何だかの形でご協力はお願いします』というは話しています。『お父さんはグラウンドで手伝ってもらえると大変助かります』という話しもしますし、もちろんお母さんが手伝ってくれても大歓迎なのですが、それが難しかったら会計とか新入部員へのスポーツ保険の案内だったり、そういう係をお願いしたりしています。当番制のように順番に回ってくることを定期的にやってもらうのではなく、できるタイミングでできることをお願いしますということですね」

チームの活動時間が土日それぞれの半日と決して多くないのは、子どもを野球でお腹いっぱいにさせないこと、子どもの体への負担軽減(特に野球肘の予防)、週末の家族での時間を大事にして欲しい、そんな理由があるが、活動時間の短さがお父さんコーチの参加しやすさにも繋がっているのかもしれない。

これだけ多くのお父さんコーチがいると、指導方針の共有などのマネジメントはどのようにしているのだろうか?

「まだ試行錯誤中ですが、今年から監督・コーチと保護者で『野球研究室』というLINEグループを作っていて、そこで指導している動画を限定公開したり、技術論や指導方針などを語り合っています。それを保護者の皆さんも見られるようにしていて、それによってブエナビスタの捕る、投げる、打つなどそれぞれの指導理論はこれという共通認識を持ってもらうようにしています。そうすることでお父さんコーチがチームの指導方針と全然違うことを言ったりして子ども達を混乱させることを防いでいます」

少年野球では試合日の配車、審判の担当などを負担に感じるという保護者の声もよく聞かれる。その辺りはどのようにしているのだろうか?

「どうしても大会の会場が遠方という場合などは、やむを得ず配車などのご協力をお願いすることもありますが、基本的には試合会場へは現地集合、現地解散にしています。お父さん審判も、LINEのノート機能を使って、協力してくれるお父さんには活動日に合わせて審判ができるかどうかの確認もしてもらっています。でもそれも強制でも当番制でもないので、できるお父さんがいないときは監督、コーチが代わりに審判をやります」

55人の子どもが伸び伸びと野球の練習ができるのは、多くの保護者の協力があってこそ。吉井代表も「それは間違いないです!」と声を大きくする。

保護者の負担を完全にゼロにするのは難しい。だが負担を減らし、協力しやすい環境を整えることはできる。今の学童野球の現場にはそんなことが求められているのかもしれない。(取材・写真:永松欣也)