野球を通じて子どもたちに考える力を。
お父さんとお母さんのための
少年野球サイト。

  • 連載・コラム

「シートノック」は何のため?【デキる選手を育てる方法】

甲子園優勝校を追い詰めた元高校野球監督が「お父さんコーチ」になって考えたデキる選手を育てる方法!第1回目の今回は、練習メニューの定番『シートノック』について。そもそもシートノックの目的は何でしょうか?


【「シートノック」と「個別練習」は上手く組み合わせて】

とある学童野球チームの守備練習を見学させていただいたときのことです。内野外野各ポジションに2人ずつ付いて、それぞれがノックを受けるシートノックが行われていました。

「サード行くぞ!」
「ナイスプレー!」
「エラーしたらもう一回受けて!」
「さあ、もういっちょ!」

子ども達は元気に声を出しながらノックを受けていました。

シートノックは試合の感覚に近い、大切な練習です。しかし、この日の練習で行われていた守備練習はシートノックだけでした。
そのシートノックは1時間ほど行われていましたが、その間、各ポジションの選手達が受けたノックを数えてみると大体1人10球程度。

各ポジションに選手が順番にノックを受けるわけですから、自分が受けたあとは当然ながらしばらく待つことになります。

1時間もノックを打った、ノックを受けたという「やった感」はあるかもしれませんが、シートノックだけで守備が上手くなるかというと、それはまた別の話になります。

守備の上達にはやはり数多くノック受けることが大事になります。そのためには「個別練習」を行ってほしいと思います。

ではどんな「個別練習」が良いでしょうか? 私は大まかに以下の3つに分けて行うと良いと思います。

①ゴロを捕球する
②グラブから投げる手にボールを握り替える
③送球する

各動作を別々に行うことで、各動作の反復回数を多く行うことができます。

例えば、守備練習が1時間あるならば、前半30分は手投げのゴロで良いので2人1組で①〜③のドリルを各10分ずつ行い、後半30分でシートノックを行う。そうするとノックの数は半分になりますが、選手が練習する量は格段に増えます。

数をこなすことによって動きのコツを掴む。その上で試合の感覚の近いシートノックでもそれを発揮できるか? その繰り返しが守備上達への道になります。
*練習の強度については改めてお話したいと思います。