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「シートノック」は何のため?【デキる選手を育てる方法】

【考えたい「シートノック」の意味】

公式戦はもちろん、練習試合の前にもシートノックを行うチームがほとんどだと思います。なぜ試合前にシートノックを行うのでしょう? 選手はその目的を理解しているでしょうか?

公式戦は慣れた自校グラウンドではなく、ほとんどが慣れていない球場やグラウンドで行われます。

自分のポジションから見える景色は日頃とは大きく違うため、距離感やボールの見え方が変わってしまい、思わぬミスに繋がる可能性があります。

それは少年野球も同じだと思います。

ですから私は、試合前シートノックの7分間は距離感やボールの見え方を修正して試合へ臨むための準備の時間として考えていました。

【元高校野球監督からのアドバイス】

<シートノックの応用>

私が高校野球の監督をしていたときは、外野も含めたシートノックでは1球ずつカバーリングも含めて全ポジジョンの動きを確認していました。9人全員の動きの確認が目的です。

例えば、ランナー無しでサードゴロの場合、ショートは打球方向に反応してサードのバックアップへ走る。セカンドはサードから一塁への送球のバックアップのためにサードと一塁ベースの延長線上に走る、など。ノックを受けるというよりは動きの確認練習となるかもしれません。これをポジション毎に順番に行います。

内野だけでなく、全ポジション付けることで、どちらかというとゲームノックに近くなります。ゲームノックのようにランダムに打つのではなく、シートノックとして順番にひとつずつ確認することで、選手は動きの習得をしやすいと思います。

ボールを持っていないときの動きの練習も行うことで、少年野球のシートノックにありがちな「自分の順番が回ってくるまで待っている」ということも少なくなりますよね。

(著:伊豆原真人/企画・編集:ヤキュイク)

伊豆原真人(いずはら・まさと)

野球指導者。高校数学科教員。令和4年12月で神奈川県立川和高校野球部監督を降りて令和5年4月に異動。現在は長男野球部の保護者としてサポートしながら幼小学生〜大学社会人まで幅広く指導中。高2中1小3の球児の父親。