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【三鷹ジャガーズ】まずは野球を嫌いにさせないこと、そして野球にハマってもらうこと

少年野球人口の減少が叫ばれながらも、多くの子どもが集まっているチームも少なくありません。今回取材した東京都三鷹市にある『三鷹ジャガーズ』もそんなチームの一つです。決して強豪というわけでもなく、プロ野球ジュニアに選手を輩出しているわけでもないチームに、多くの子どもが集まる理由はどこにあるのでしょうか? 2・3年チームを預かる三津井淑人監督にお話を聞きました。
◆「ゴロを転がせ!」という野球は求めない
——低学年チームを担当することになったきっかけを教えてください。
以前は高学年チームを見ていたのですが、変な打ち方、変な投げ方の癖がついていると直すことが大変だったんです。低学年の時についた癖は直りにくいということを高学年チームを見ているときに実感して、それで野球を始めたばかりで投げ方も打ち方もまだ分からない、真っさらな子を指導したいと思って低学年チームの指導を希望しました。野球を始めたばかりの子に投げ方の基本、打ち方の基本を教えるとそれなにり綺麗に投げて、打てるようになります。改めて初動が大事だなと実感しています。
——バッティング練習での縦ぶり指導はいつから行っているのですか?
5年くらい前からになります。いろんなことを調べたりしていて、ネットでたまたま「根鈴道場」の根鈴雄次さんの動画を見まして、理にかなったスイング理論だなと思って、本も読んで勉強もしました。「パワーがない子どもがやっても無理」などと誤解されがちですけど、そういうことではなくて「打球に角度をつければゴロじゃなくて内野の頭を越えるよね」という考え方なんですよね。プロ野球を見ていても、身体の小さい阪神の近本光司選手やソフトバンクの近藤健介選手なんかもまさにそんな打ち方をしています。それでこれは子ども達にも合っているなと思って指導に落とし込んでいます。

——学童野球では相手のエラーを期待してゴロを打たせるのが好きな指導者も多いですね。
そうですね。例えば無死二、三塁でフライを上げると「なんでゴロ打たないんだよ!」と言ってる監督さんもよく見かけます。気持ちは分かるんですけど、でも「こういう場面でゴロを転がせ」という野球は、上のカテゴリーでこれから嫌でもやるわけですから、野球の入口である少年野球でそこはまだ求めなくてもいいでしょ、と私は思っています。基本的には強く打つ、強いフライ、強いライナーを打つのが原点だと思っていますから。
——トスも斜め前からではなく正面からあげて打たせていましたね。
アメリカでは斜め前からのトスはやりませんし、試合でもピッチャーのボールは全部正面からしら来ませんよね? 斜め前からのトスをやっていると体が開いたり、手首をこねる癖がついてしまいますから、そこは意識してやっています。
——守備では子ども達がシングルキャッチで捕っていましたね。
守備は「両手で捕るな」という方針でやっています。私も小さい頃は「両手で捕れ」と教わってきましたし、昔はそうやって指導もしていました。でも子どもって素直なので、そうやって教えるとどのボールに対しても両手で捕ろうとしてしまいます。例えば三遊間の深いゴロをショートが逆シングルだったら捕れるのに、両手で捕りにいこうとして捕れなかったり。そういうのを見てきて、逆に片手で捕ることから教えていった方が子どもにとってもいいのかなと思ったんです。だからキャッチボールでも両手で捕れじゃなくて「片手で捕って直ぐに持ち替えよう」と指導しています。