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【BLOSSOM BASEBALL CLUB】部員60人の大所帯、4年前から変わらず大事にする「後伸びする力」

2021年に取材した東京都北区の学童野球チーム『BLOSSOM BASEBALL CLUB』(以下、ブロッサム)。存続が危ぶまれた2チームが合併したことで誕生したチームは、活動方針を大きく転換したことなどにより、短期間で34人の部員を擁するチームになったことを紹介しました。あれから4年が経過し、発足間もなかったチームはその後どうなったのでしょうか? 久しぶりにチームを尋ねてみました。
<運動能力の土台部分を鍛えることにたっぷりと時間を割く>
2021年取材当時の部員数は34人。それが現在ではさらに増え、6学年合計で60人の大所帯となっていました(5・6年21人、3・4年22人、1・2年17人)。
「保護者の負担がないこと。楽しく練習をやっている様子をこまめにSNSに投稿していること。それが多くの部員が集まる理由でしょうか」
そう答えてくれたのは5・6年チームの伊場竜太コーチ。ちなみに4年前に取材した際も別のコーチが同じ事を話していました。それはチーム発足以来、方針がブレいてないということなのかもしれません。
ちなみに伊場コーチはブロッサムで指導するようになって2年目で、大学・社会人時代は「強打のキャッチャー」で鳴らした選手。4年前に取材した際も社会人野球出身のコーチが指導をされていました。「それはたまたまです」と伊場コーチは言っていましたが、社会人でバリバリやっていたコーチが指導しているということも、当時と変わっていませんでした。

この日はチームが参加している区内のリーグ戦が行われる日。試合開始は10時10分からでしたが、子ども達は8時30頃には試合会場に集まっていました。ですがそこに保護者の姿はありません。高学年チームは現地集合、現地解散がチームの基本スタイル。この日も各々が公共交通機関などを使って試合会場に集まっていました。これは親の送迎負担の軽減と子ども達の自主・自立を促すことが目的。
「野球は(競技の特性上)どうしても受け身になってしまいがちです。ですので高学年の子ども達には自分で考えて行動できるように、自主・自立して欲しいと思っています」
コーチ指導のもと、ウォームアップがスタート。倒立やブリッジ、通称『アニマル』と呼ばれるワニやクマ、キリンなどの動物の動きを模したコーディネーショントレーニングなどが行われ、給水タイムを挟みつつ、たっぷり1時間程度汗を流しました。

この日は試合日のため行われませんでしたが、日頃の練習ではリズムトレーニングやパルクールなどにも多くの時間を割いているとのこと。これも4年前から変わらず行っていることの一つ。
「今の子達は公園で野球遊びもできないですし、そもそも外遊びをする子も少ない。そんな子達にいきなり週末だけ野球をやらせるはかなりハードルが高い。ですので、野球をやる前段階としてコーディネーショントレーニングやリズムトレーニング、パルクールなどをたっぷり行って、体をたくさん動かす、色んな動きをさせることを意識しています」
ですが、これらのトレーニングが直ちに野球の上手に直結するとは考えていないと言います。
「これらのトレーニングによって運動能力自体は間違いなく上がっていると思います。倒立もブリッジも全くできなかった子たちができるようになっていますから。ただ、それが野球にどう繋がっているかは、今の段階では正直断言はできません。ですが(より高度な体の動きや反応が求められる)次のステージ以降で、必ず野球にも、野球以外の競技にも繋がると思ってやっています」
ブロッサムが発足当初から大事にしているのは子ども達の「後伸びする力」。少年野球で勝つことをゴールとしない、少年野球でお腹いっぱいになることを良しとしない。だからこそ、練習では子どもたちの運動能力の土台部分を鍛えることにたっぷりと時間を割くことができる。
ブロッサムは、見方を変えれば「野球をメインにした運動クラブ」と言えるかもしれません。このチームに子どもを入れたいと思う親が多いのも頷けます。