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【県相模原】野球と勉強、両方頑張るのは正直しんどい。それでも・・・

強豪校ひしめく高校野球激戦区・神奈川において存在感を示している県立相模原高校。県下屈指の公立進学校でありながら、15年春には県大会準優勝、19年夏には横浜を破って四強進出するなど、高校野球ファンの記憶に残る強烈な実績を残している。そんな野球部を現在引っ張っている、キャプテン中山皓太選手(相模ブルーバッズ−藤沢リトルシニア)と副キャプテンの﨑山能活選手(亀野井ジュニアーズ−湘南ボーイズ)、伊豆原藍斗選手(町田リトル−町田リトルシニア)の3人に、野球も勉強も頑張ることについて話を聞いた。


「文武両道」を求めて辿り着いたケンソー

——去年から頭髪自由になったそうですが、3人は坊主ですね。髪を伸ばさないのは?

中山 気合いです(笑)。髪が長い部員がいた方が逆に坊主が目立っていいかなと。

——野球を始めたきっかけは?

中山 小1の春からです。父が元々野球をやっていたのもあって幼稚園のときから公園でキャッチボールなどはやっていて、小学生になったタイミングでチームに入りました。

﨑山 小4のときに、近所の子がやっていたのをきっかけに自分もチームに入りました。

伊豆原 高校野球の監督をやっていた父の影響で生まれた時から野球をやっていて、年中の時にはチームに入りました。

——ケンソー(県立相模原の略称)を選んだ理由は?

中山 小学生の頃から父親に「文武両道」とずっと言われていて、そこを求めて野球と勉強を両立できる環境はどこかと考えたときにケンソーに辿り着いたのと、佐相真澄先生(今年1月に逝去)の下で野球をやりたかったからです。

﨑山 元々ケンソーでやるつもりはそんなになくて、かといって強豪私学でもやるつもりもなくて、高校ではゆっくりと野球をやろうと思っていました。でも受験勉強を頑張っていたら、どんどん野球がやりたくなって、それでケンソーでやることになりました。

——湘南ボーイズという全国的な強豪で四番を打っていたそうですが、強豪私学からもたくさん声がかかった?

﨑山 はい。でも通用する自信もあまりなかったですし、中学時代の練習もキツかったので、強豪校でやるよりも公立高校で野球も勉強も両方やるのが自分に合っているかなと思いました。

伊豆原 小さい頃から佐相先生とは関わりがあったのもありますし、大学進学のことも考えたら、勉強をして選択肢を広げることが大事だと思ったので、野球も勉強も頑張れるケンソーを選びました。

——野球も勉強も両方頑張るのは正直しんどい?

中山 しんどいですね(笑)。でもどっちも頑張るのがケンソーなので。﨑山 自分は野球に重きを置いてしまってちょっと勉強が疎かになりがちで、勉強についていけてないです。

——今日は19時まで練習でしたけど、伊豆原君はこのあとは塾に行くそうですね? しんどくないですか?

伊豆原 しんどいですし、朝練もあるので朝が早くて毎日眠いですけど、でも自分で決めたことなので。

——小学校の時から野球だけじゃなく勉強も頑張ってきたそうですが、両方頑張ってきて良かったと思うことはありますか?

中山 小学校の時に勉強する習慣ができたことで、中学、高校でも勉強をする習慣が身についたかなと思います。

﨑山 どこの高校で野球をやるかという選択肢が広がったので、(野球だけじゃなくて)勉強も頑張ってきて良かったなと思います。

伊豆原 﨑山と同じで、高校を選ぶにしても、これからですけど大学を選ぶ上でも、どこで野球をやるかという選択肢が広がると思うので、野球で頑張っていきたいのなら(小さい頃から)勉強も頑張った方が良いと思います。

——神奈川県には全国的な強豪校がいくつかありますが、そこに勝つ為には何が必要だと思いますか?

中山 短い練習時間の中で質を高めていくことも大事なんですが、野球も勉強も両方追い求めていくという、厳しいことをやることによって両方ともレベルアップさせていくことだと思います。

伊豆原 フィジカルなどでは勝てないと思いますが、野球を知っていることや判断の速さなどでは負けていないと思っています。

——最後に今後の目標、将来の夢を教えてください。

中山 冬の間にレベルアップして甲子園に行きたいです。将来は公認会計士になりたいと思っています。

﨑山 冬の間にしっかりと体を作って、来年夏に注目されるような選手になって大学、社会人と第一線でプレーできる選手になりたいです。

伊豆原 東海大相模と桐光学園にこの秋に悔しい負け方をしたので、来年の夏はそういうレベルの高校にも勝てるようになること。将来はやりたいことがまだ決まっていないので、自分のやりたいことがいつでもできるように勉強を頑張ります!

(取材・写真:ヤキュイク編集部)