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- 基本スタイルは「聞きに来るまでは教えない」。何事も子どもに考えさせ、決めさせる|パイラスアカデミー
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基本スタイルは「聞きに来るまでは教えない」。何事も子どもに考えさせ、決めさせる|パイラスアカデミー

<サインを出すか出さないか、子ども達と話し合った2時間半>
——「勝利至上主義」という方針とは真逆のチームに見えますが、「勝つ」ということをどのように捉えていますか?
小林 緩くやっていますけど、勝たなくて良いなんて思ってはいません。試合では勝ちたいですし、「勝負事は勝たないとつまらない。何があっても勝とうよ!」ということは子どもたちにも言っています。
——試合ではノーサインで子ども達主体でやらせいるのでしょうか?
小林 サインを出す、出さないも、子どもと話をして決めています。子ども達が初めて大会に出るときにこんなことを話したんです。
「プロ野球ももちろんだけど、高校野球も少年野球も監督がいて、その人がサインを出している。なぜかというと、大人がサインを出した方が試合の流れが読めるから、勝てる確率が上がるから出している。
君たちには日頃から『自分で決めて』と伝えているから、あまり大人である僕や監督からサインは出したくはない。でもサインを出して欲しいか、(監督がサインを出さずに)自分たちで考えてやりたいか、ちょっとそれを話し合おう」
そう話して、駅前にあるカレー屋さんを貸し切りにしてもらって、子ども達と2時間半くらい、1人1人に意見を聞いて話し合ったんです。結果、サインを出して欲しいという結論になったので、今は試合では監督がサインを出しています。
ちなみにポジションと打順も事前に子ども達と話し合って決めています。
——試合には子ども達はどんな意識で臨んでいるのでしょうか?
小林 試合に負けたら子ども達は泣いています(笑)。それくらい真剣に臨んでいるのだと思います。終わった後は子ども達だけでミーティングをしていて、そこに大人は介入しませんし、どんなことを話したのかも知りません。
試合で負けた次の練習のときは、「この前負けたからアレやろうよ」「やだ! 俺はバッティングがしたい!」「この前負けたんだから、そんなのやったって意味ないじゃん!」とか、そんな議論が巻き起こっていますよ(笑)。
この子達は、議論する能力は相当身についていると思います。
(取材・写真:永松欣也)
