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元高校野球監督が立ち上げた、「緩く、楽しく」の野球チーム|フリースタイルスポーツクラブ
神奈川県綾瀬市の少年少女野球チーム「フリースタイルスポーツクラブ」。創設は2019年で現在の部員は29人。活動は週1回、日曜日午後からの4時間。チームのHPに『勝ち負けだったら勝ったほうが楽しい。でも、スポーツそのものを楽しむことから大切にしたい。』とある通り、いわゆる「勝利至上主義」とは一線を画す方針のチームだ。そんなチームが神奈川県立綾瀬西高校野球部と合同練習を行った。
<「遊び」を通じて楽しく体の使い方、動かし方を覚えて欲しい>
『ガツガツ野球教室』と銘打って行われたこのイベントは、同クラブの五十公野大輔代表が同校の元監督だった縁から実現したもので、今年で3回目になる。
子ども達は高校生たちと一緒に、「テニスラケット野球」「複合競技」「計測」の3つのメニューを楽しんだ。
「子ども達に野球の楽しさと高校野球のかっこよさ、凄さを伝えたいですね」と話すのは同校の為田恭兵監督。
「メニューを組む上でまず考えたことは、子どもに分かりやすいこと。子ども達と一緒に高校生ができること。例えば『テニスラケット野球』であれば空振りが少ないから子どもが楽しめますし、高校生と一緒に守ることで(「ナイス判断!」「ナイスキャッチ!」などと言ってもらえて)アウトが捕れる喜びが生まれる。そういった視点からうちの顧問が考えました」

「複合競技」ではバレーボールやフリスビーを使ったメニューが取り入れられていた。これは今の子達の運動能力全般が低下傾向にあるため、いきなりボールを使うのではなく、まずはこういった「遊び」を通じて楽しく体の使い方、動かし方を覚えて欲しいという考えからだ。
「例えばフライを捕るのが苦手な子はバレーボールを使ったトスの練習をすることでフライを捕る位置や感覚を覚える。フリスビーは飛んでくる位置を予測しながら走る。『ここかな?』と思ったらちょっと違ってまた走る。そうやってフライを追いながら走る感覚、落下地点の予測を遊びの中で養う。子どもにしたら遊んでいる感覚だと思うんですけど、実は野球が上手くなる要素が散りばめられたりもするんです」(為田監督)
<高校生のお兄さん達を見て学んで欲しい>

少年野球の側からは、高校生と一緒に練習をする意味、目的をどのように考えているのだろうか? 前出の五十公野代表はこう話す。
「(6年前に)小学1年生を中心に0から立ち上げたチームですから、上の学年という存在がないまま年数が経ちました。ですので、円陣を組んで大きな声を出すとか、大きな声で挨拶をするとか、野球をやるたしなみ、マナーというか、捕る、投げる、打つといった技術以前のそういったところのお手本がなかったんです」
実際、「元気出していこう!」「気合い入れて行こうぜ!」といった言葉に対して、子ども達はどう反応して良いのか分からない場合が多いという。
「高校生たちはグラウンドの中ではキビキビ動きますし、ボール回しにしてもノックでも元気よく大きな声を出す。高校生のお兄さん達を見て学んで欲しいんですよね。(子ども達は)声を出すことをちょっと恥ずかしがるところがありますから、合同練習をきっかけに殻を破ってもらいたいと思っています。私も高校野球の監督をやらせてもらって、子ども達と一緒に声を出して『さぁやろうぜ!』という雰囲気でやってきましたからね」
合同練習の終盤には、高校生たちがボール回しとノックのデモンストレーション。さっきまで笑顔で一緒に野球を教えてくれていたお兄さん達の真剣な眼差しを、子ども達はネット越しに食い入るように見ていた。
