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- 部活動と地域移行、中学軟式野球部のリアル|横浜市立谷本中野球部
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部活動と地域移行、中学軟式野球部のリアル|横浜市立谷本中野球部
<『育った地域への恩返し』をしたい>
野球の技術的面ではどうだろうか? 軟式野球のメリット、デメリットをどのように考えているのだろうか?
「ボールの重さ的には硬式球に近づいたので昔ほど気にはなりません。でもどうしても技術の差は出ると思っています。例えば内野手の場合になりますが、硬式クラブを辞めて入部してきた子がいたのですが、硬式球に慣れているので内野の構えが低くくて基本が出来ているなと感じました。軟式だと(硬式よりも弾むので)腰が高くなってしまうんです。その辺が軟式でやることのデメリットかなと思います。
逆に軟式のメリットを挙げると『野球を知る』ことが出来る点にあると思います。ロースコアの展開が多いですから1点の重みが違います。そんななかでどうやって1点を取るのかを考える。(ルールの範囲内で)相手ピッチャーの癖を盗んで盗塁をしてみたり、ダイヤモンドの中だけを使ってどうやって1点を取るか。そういったことを深く考え、追求することで『野球を知る』ことができる。捕る、投げる、打つ、以外の部分が身につきやすいかなと思います」
「硬式でやるのはハードルが高い。でも部活で野球をするのはちょっともの足らない」という声を少年野球の保護者からよく聞く。
部活動改革が進む今の時代に「中学軟式野球」を一括りで語ることは難しいが、作田先生は最後にこう話す。
「部活動地域移行が進んでいく中で、部活動の中でも『もっとやりたい』というニーズが増えています。部活動ではもの足りない、けれど土日朝から夕方まで野球漬けで遠方まで行くようなチームには行きたくない。『自分の住んでいる地域で、かつ熱心に野球に取り組む環境があって、学習にもしっかり取り組む時間を確保できる』というチームに入れる保証が部活動にはありません。そういう意味でも部活動の地域移行については肯定的に考えています。小学校中学校を谷本という地域で育った私は、地域への恩返しも含め、将来的に谷本という地域で野球をがんばりたい子たちのために指導したいと思っています。
部活動に興味をもってもらうのが目的というより、子どもたちには地域で地域の仲間と野球をやりながら勉強をがんばると思ってもらいたいです。社会人になっても戻って来られる場所や仲間がいるというのは幸せなことだと思います。部活動も学校によってさまざまで、顧問のなり手が減っていたり、日々の業務に追われて十分に指導する時間がなかったりします。また様々な課題も部活動にはある中で、子どもたちが部活動に所属しつつ、地域の仲間とチームを組んで野球をするようになればよいと思っています。部活動にもたくさんよいところはあります。部活動というのを残しつつ、かつ地域移行という流れに沿った動きをしていきたいです」
(取材・写真/永松欣也)
