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内野フライの捕り方、教え方【デキる選手を育てる方法】

【習得レベル:★★★☆☆】

甲子園優勝校を追い詰めた元高校野球監督が「お父さんコーチ」になって考えた、デキる選手を育てる方法! 第10回目は内野フライの捕り方、教え方について。できる子は教えなくてもできると思いますが、できない子にはどのように教えていますか? 


【フライ捕球の難しさ】

フライを捕るために最も重要なのは距離感を把握することです。いわゆる「空間認知能力」です。ボールがどの位置にあるのか、どれくらいで落ちてくるのかなど、その瞬間に把握して判断できるような能力が必要です。

その空間認知能力を磨くには、やはり「経験値」が大事になっていくると思います。言い換えると、幼少期からフライを見る、フライを捕る練習をどれだけしてきたか、その数量による部分が大きいと思います。

ですが、ただ数をこなせば良いわけではありません。初歩のフライ練習では、指導者が「その子の捕れる高さ」を把握しておくことが大切になります。いきなり見たことないような高さのフライを子どもは「認知」できません。

まだフライが上手く捕れない子に対しては、最初は手投げでフライを上げて子どもが認知できる高さの練習から始める。それが捕れるようになったら徐々に高くしていくのが良いでしょう。いきなりフライノックを行うと、子どもにフライへの恐怖心を植え付けてしまいますので注意が必要です。
また、前だけでなく、横向き、後ろ向きで捕るなど、様々な角度で練習するのも効果的です。

【内野フライと外野フライの違い】

基本的な話はこれくらいにして、内野フライについて考察します。外野フライとの違いは、

①周りの景色が見えなくなることによって高さの認識が難しくなること
②難しい回転がかかっていること

この2点にあると思います。

①外野フライは打者の後ろ側(バックネットなど)の景色があり、背景が空一色になることが少ないため、基本的にボールと景色の対比によって距離感を掴みやすいと思います。それに対して内野フライ(特に高く上がった打球)は野手から見て真上に近いので、空と同化してしまい、空にボールが吸い込まれてしまうため距離感が掴みにくいはずです。

②外野フライは基本的にバットである程度捉えた打球が多く、比較的予測がしやすいのですが、内野フライは基本的にバットに擦ったようなインパクトとなっているため、風の影響を大きく受けたり、回転によって変化したりします。キャッチャーフライやピッチャーフライはより顕著で、いわゆる筆記体のL字のような軌道を描くこともあります。

【内野フライの捕球技術】

①できるだけ顎を引いてボールを見る

言い方を変えると目を上向きに使ってボールを見るようにします。顎を上げてしまい、ボールを下向きに捉えるようにすると、距離感が掴みにくいので、できるだけ顎を引いて可能な限り目を動かしてボールを見るようにしましょう。
特に、キャッチャーフライはいわゆる戻ってくる打球になるので、必ず回転して後ろを向き、帽子を使ってひさしの前にボールをとらえるようにすると良いでしょう。

②捕球する際に、グラブを上に突き出さない

腕がロックしてしまい、ボールが予想と少し違うだけでも対応できなくなります。捕球は左肩(右投げの場合)もしくはそれより少し下でも構いません。
ボールの落下予測が難しいので、グラブを左肩の位置から引きながら腰のあたりまで下げながら捕球しても良いと思います。

ノックで内野フライやキャッチャーフライをあげることは指導者にとってとても重要です。なぜならば、練習はもちろん、試合などの実戦でも数を経験することが難しい打球のひとつだからです。

学童野球においては、手投げや緩い打球のノック、外野ノックだけも良いので、内野手にもしっかりとフライの練習をすると良いと思います。


伊豆原真人(いずはら・まさと)

野球指導者。高校数学科教員。令和4年12月で神奈川県立川和高校野球部監督を降りて令和5年4月に異動。現在は長男野球部の保護者としてサポートしながら幼小学生〜大学社会人まで幅広く指導中。高2、中1、小3の球児の父親。