ロッテ・西野勇士は、今季初勝利を目指してマウンドに上がる。
西野はここまで7試合・39イニングを投げ、0勝4敗、防御率3.69。前回登板の5月31日の日本ハム戦は一死一、二塁のピンチを招き、右打者のレイエスをインコースのシュートで内野ゴロを打たせるのではなく、外角の129キロのスライダーで空振り三振、続く万波中正もアウトコースのスライダーで投ゴロに打ち取った。清宮幸太郎に四球を与え満塁としてしまうも、石井一成を外角のストレートで中飛に仕留め、ピンチを脱した。
続く2回に二死走者なしから連打で1点を失うが、0-1の4回に先頭の伏見虎威を二ゴロ、続く奈良間大己を三ゴロ、五十幡亮汰を空振り三振で、この回をわずか9球で三者凡退に片付けると、直後の5回表に打線が奮起し逆転に成功する。3-1となったその裏も、郡司裕也をインコースのシュートで空振り三振、続く浅間大基を一ゴロ、レイエスを遊ゴロと流れを渡さなかった。西野は続く6回先頭の万波を左飛に打ち取ったところで、マウンドを降りた。
サヨナラ負けを喫したため、西野の今季初勝利はお預けとなったが、逆転劇につなげた4回、逆転した後の5回の投球は流石だった。「そうやっていかないといけないというのは絶対だと思うんですけど、久しぶりにそういう状況だったので怖さもありましたけど、ちゃんと抑えられて良かったかなと思います」と振り返る。
オープン戦から状態が良いと話したストレートも、強さは変わらない。5月21日のオリックス戦でも、0-0の初回一死走者なしで西川龍馬に1ストライクから投じた2球目の外角147キロストレートを始め、立ち上がりから力強いストレートを投げ込んでいた。本人もストレートに関しては「悪くないと思います」と話す。
直近の登板を見ていると、白星に恵まれていないが、開幕の頃に比べて、さらに調子が上がっているようにも見える。
「どうなんですかね、ストレートの割合は増えたと思いますが、結果がうまく出ていないので、それを維持していても意味がないと思う。自分の中の投球スタイル、いきなり球速が上がったりとか、そういうのは無理だと思うので、投球割合を見直して、配球的な部分で立て直していくというところが大事なのかなと思います、今は」。
西野は6回を2失点、3失点に抑え、ゲームを作っていくことを武器にしている投手ではあるが、開幕から打線の援護に恵まれず、なるべくゼロで抑えていかなければならないという難しさはあったりするのだろうかーー。
「それはありますけど、気負いすぎるのも良くないと思うし、難しいんですけど、そこらへんの塩梅というところは。(ゲームを)作ってるレベルじゃ、今のチーム状況的には苦しいと思うので、今のボスみたいな役割を本当は自分がやらないといけないと思っています。ああいうピッチングを続いていけるようにしていけたらなと思います」。
試合の入りでゼロに抑えていかなきゃというのはあるのだろうかーー。
「それなりには。対戦相手のピッチャーのこともありますし、そういう部分もあるかなと思いますけど」。
とにかく前回登板の日本ハム戦のように、最少失点で抑えていくことが求められる。「自分の中で失点を多くするイニングが出たりしちゃっている。そこをどうにか丁寧に失点してもいいけど、少ない点数で抑えて、安定感があるところを見せていかないといけないと思う。それが自分の持ち味だと思うので、最少失点で抑えていければ、自ずといい結果が見えてくると思うので、そこをなんとか1イニングで大量失点しないようなピッチングを続けていければいいなと思います」。今夜こそ、今季初勝利を手にしてみせる。
取材・文=岩下雄太