ロッテの中村稔弥が14日のヤクルト戦で今季初登板を果たした。
0-5の9回にマウンドに上がった中村稔は、先頭の古賀優大をセンター・藤原恭大のファインプレーで一死を奪うと、続く代打・山野辺翔を中飛。伊藤琉偉に四球を与えたが、並木秀尊を中飛に打ち取り、今季初登板は1回・22球を投げ、被安打0、0奪三振、1与四球、無失点だった。
◆ 開幕ファームスタート
中村稔は昨年シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習で、「体力強化と真っ直ぐの質を上げるのと、もう1個新しい変化球を覚える練習したい」というテーマで汗を流してきたが、オフの自主トレは「とにかくまずは体力。ランニング」と体力強化に励んだ。
中村稔は練習試合・オープン戦、5試合・7イニングを投げ、防御率3.86も、3月8日のソフトバンクとのオープン戦で1回3失点、3月12日の日本ハムとのオープン戦で1回1失点と結果を残せず、3月12日の登板を最後にファームで過ごした。
ファームでは「無失点に抑えることしか考えていなかったです」と、5月7日の西武二軍戦から5月24日の楽天二軍戦にかけて6試合連続無失点に抑えた。
オフから磨いてきたストレートに関して、現時点で「ボチボチですね。ファウルを取りたいなと思っています」と話す。武器であるツーシームは、「いい感じで最近は投げられていますね」と、6月8日の日本ハム二軍戦、6-1の7回二死走者なしで平田大樹を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコースツーシームは素晴らしかった。
6月5日のオイシックス戦、6月8日の日本ハム二軍戦では、90キロ台の遅いカーブも投げていた。昨年8月28日の取材で「今速いカーブの方がストライクが取りやすいので、そっち(ハーマンカーブ)を使っています」と、90キロ台のカーブを封印していたが、再び投げるようになった理由について「いろんな球種を試していたんですけど、カーブってやっぱり狙っていないボールだと思うので、そこでストライクが取れればでかいなと思って投げていました」と説明した。
現在は120キロ台のハーマンから教わった“ハーマンカーブ”と遅いカーブの2種類を投げている。
また、ファームでは今季から延長10回からのタイブレークを導入し、中村稔は3月15日の日本ハム二軍戦、3月23日西武二軍戦、5月16日のヤクルト二軍戦、5月27日巨人二軍戦でタイブレークのマウンドを経験。
延長10回無死二塁からのタイブレークについて中村稔は「まずはチームが勝つために無失点に抑える、最少失点に抑えることを考えながら、ランナー二塁からしっかり粘り強く投げることを意識していました。高さとかこだわって投げる練習にはなったかなと思います」と話した。
中村稔は今季一軍初登板を果たし、ここから一軍に定着していきたいところ。「自分のピッチングをしてテンポよく投げて、無失点に抑えていけたらいいなと思います」。ロングリリーフをはじめ、さまざまな役割ができるのは強み。その強みを一軍で活かしていきたい。
取材・文=岩下雄太