「緊張して(河村コールは)聞こえないかもしれないですけど、ありがたいですね。コロナ禍だったので、(河村コールは)楽しみです」。
ロッテの河村説人が18時からの日本ハム戦で、22年5月26日の広島戦以来の一軍マウンドに上がる。
8月9日・10・11日のオリックス戦での試合前練習に参加した河村は「選手の試合前の練習を見ていて、緊張感はあるなと感じますね」と、5月に行われたZOZOマリンでの二軍戦の試合前練習とでは緊張感が違ったという。
河村は今季、春先ファームで安定した投球を披露。4月8日の巨人二軍戦で7回を投げ無失点に抑えれば、4月24日のオイシックス戦、5月3日のヤクルト二軍戦、5月11日のDeNA二軍戦と3試合連続クオリティスタート(6回以上3自責点以内)をクリア。5月11日のDeNA二軍戦は6回を投げ69球、3被安打、無失点の省エネピッチングだった。
5月11日のDeNA二軍戦後の防御率は0.82だったが、5月18日のヤクルト二軍戦で5回4失点、5月25日の楽天二軍戦で5回3失点と失点した投球が目立つようになる。
「球が良くても打たれる時もありますし、悪くても抑えられる時もあるので、成績自体は点取られていますけど、ストレートとかも良くなってきているので、右肩上がりではないですけど、球自体は良くなってきているかなと思います」。
6月に入ってからも28日の巨人二軍戦で6回無失点で勝利投手になったが、6月は月間3試合・14回を投げて防御率4.50。7月も2試合・7イニングを投げて防御率11.57と苦しい投球が続いた。
失点が目立った6月、7月の投球について河村は「トラックマンの数値を気にしすぎて、バッターがあっての内側とかなので、数値ばかり気にしすぎたのかなと思います」と振り返る。
8月5日の日本ハム二軍戦は、「今までだと力一杯投げて次の日に腕が張っていたんですけど、前回は自然な感じで8回を投げられた。そこはいい感覚ですね」と、右肘手術後最長となる8回を投げ、4被安打、4奪三振、1与四球、無失点の好投。
河村は「夏場ちょっと打ち込まれていたんですけど、前回登板は感覚良く、球はいいなと感じます」と好感触を掴む。
ストレートの強さについては5月29日の取材で「良い時も悪い時もあるんですけど、質自体はちょっとずつ良くなってきていますね」と話していたが、現在は「バッターの反応的には良いですね」とのこと。
変化球も「スライダー、カーブ、フォークは狙ったところに投げられていますし、精度も自分の中でよくなっていると思います」と手応え。
「体の状態も良いので、準備の部分では良くできています」と、一軍のマウンドで投げる準備は万端だ。「勝つことが一番ですけど、自分がやってきたこと、下(ファーム)でやってきたことをとにかく出せるように頑張りたいと思います」。マリーンズファンの熱い声援を力に変えて、マウンドで躍動する。
取材・文=岩下雄太