ロッテの小川龍成は今季、言葉の節々から中心選手としての自覚を感じる。
それを最初に感じたのは6月26日の本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われた練習後の取材だ。今後チームにどのように貢献していきたいか質問すると、「攻撃でも自分の役割をしっかりやって、守備でも自分が引っ張っていく立場だと思うので、ミスをなくしていいプレーをしっかり出してピッチャーを助けたり、本当に守備の中心だと思ってしっかり引っ張っていきたいと思います」と頼もしい言葉が返ってきた。
この時期、試合に出場している内野手の中で一番年齢が高い時があった。「内野外野の連携の声だったり、コミュニケーションをとったり、ピッチャーの声掛けも率先してやっていかないといけないと一番上になって感じています。内野同士で声を出しながら、ピッチャーにも声をかけながら、自分がそういったところで引っ張っていくという意識を持っているのでやっていきたいと思います」。
7月29日の楽天戦の試合前練習後の取材でも「しっかり自分の役割をやって、まずは守備でチームを引っ張っていって、打撃でもチームに少しでも貢献できればなと思っています」と意気込んだ。
引っ張っていく自覚が出てきたきっかけはあったのだろうかーー。
「もちろん去年たくさん試合に出させてもらって経験を積んでいるので、今は本当に若い選手だったり、ここ1年通して一軍にいるような選手もいる。そういったところで、プレーに集中してもらうために声掛けだったりは率先してやりたいなと思っていました。周りを見てそういうことをするようにしています」。
プレー面では22日の日本ハム戦ではショートでスタメン出場したが、2-0の6回からセカンドにポジションを移し、先頭の水谷瞬が放ったセンターへ抜けそうなゴロを何事もなかったかのように捕球し、一塁へ送球しアウトにした。前カードの日本ハム3連戦ではセカンドで1試合、ショートで2試合スタメン出場したがミスはなく、7月19日のオリックス戦でエラーしたのを最後に7月20日のオリックス戦から守備に就いた試合は35試合で無失策。オールスター明けは1試合も失策がない。
バットでもシーズン途中の6月29日のソフトバンク戦からトルピードバットに変更し、そこから打撃好調で現在7試合連続安打をマークするなど、9月の月間打率は.370(46-17)。5月終了時点で打率.154だった打率も、.259まで上げてきた。
セカンド、ショートの守備で欠かせない背番号57は、バットでも自身の武器を磨き存在感を放つ。残り試合でも攻守に引っ張っていく。
取材・文=岩下雄太