LIVEBPに登板したロッテ・澤田圭佑[撮影=岩下雄太]※撮影日=2024年11月3日

 「スライダーをいっぱい投げられて、結構幅も広がったし、今までの自分とは違うようなピッチングもできたので、そこは良かったかなと思います」。

 ロッテ・澤田圭佑は、“スライダー”に手応えを掴み、今季を終えた。

 澤田は昨年10月31日の取材で、「シーズン終盤にスライダーを横の大きいやつに変えて、それが今結構いい感じになってきています。スライダーは今ジョニーさん(黒木知宏投手コーチ)にフォームからこういうイメージというのを教えてもらって、そのフォームでスライダーを投げると結構曲がり始めた。曲げるイメージは西野さん、唐川さんにちょっと教えてもらって、フォームをジョニーコーチに教えてもらって、今こんな感じかなというのが出てき始めて、ちょっと面白くなってきています」と話し、年が明けた1月23日の取材でも「今も引き続き投げています。変化球のメインになってくるかもしれないですね」と、今季変化球の中で軸になる可能性があることを示唆していた。

 シーズンが開幕してから4月18日のヤクルト二軍戦、6-2の9回二死走者なしで矢野泰二郎に対して1ボール1ストライクから空振りを奪ったスライダーは126キロを計測し、4月26日のDeNA二軍戦では1-4の8回先頭の知野直人に対し2ボール1ストライクから投じた4球目の外角のスライダーは131キロと、スライダーで球速差を出しているように感じたが、澤田本人に確認すると「差は自分の中では出していないですね」とのこと。

 5月14日に今季初昇格を果たすと、初登板となった同日の楽天戦、0-4の7回一死走者なしで浅村栄斗を2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた7球目の外角131キロのスライダーが非常に良かった。澤田も「浅村さんが三振しているくらいなので、結構自信を持って投げていこうかなと思っています」と好感触。

 5月26日に一軍登録抹消後、6月21日の西武二軍戦でスライダーの投球割合が多かったように、ファームでもスライダーを投げることが非常に多かった。ファームで過ごしている期間も、「スライダーの状態が良く、「いつでも勝負球にできるんじゃないかくらいの信頼度が上がっています。スライダーはいいんじゃないかなと思います」と手応えを掴み、7月5日に再昇格すると、再昇格後初登板となった7月6日のオリックス戦では、1-4の8回無死走者なしでディアスを2ボール2ストライクから5球目の132キロスライダーで空振り三振に打ち取った。

 7月6日のオリックス戦から8月2日の西武戦にかけて10試合連続無失点に抑えるなど、夏場以降、安定した投球を見せた。7月31日の楽天戦、先頭の村林一輝を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた5球目の128キロスライダーは非常に良かった。

 「スライダーはどんどん良くなってきているんじゃないかなと言う感じです。カウントでも勝負球でも使っているので、左バッターに投げていない分、ここからそっちにも投げていこうかなと思っています」。

 気になったのは、8月20日の楽天戦、2-2の7回先頭の中島大輔に2ボールから見逃しでストライクを奪った3球目のインコーススライダーは軌道がカーブ系だった。風の影響もあったのだろうかーー。「風もあるし、ジョニーコーチに横に曲がりすぎる時は、縦にもイメージを持って投げた方がいいよと言われていたので、縦気味に曲げるのも投げました」。

 昨季はストレートに次いで、投球の割合が多かったのがチェンジアップ、その次がスライダーだったが、今季はストレートの次に多く投げたのはスライダーだった。投球の幅が広がったスライダーを来季、どういう軌道、変化、使い方をしていくのか注目だ。

取材・文=岩下雄太

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