メジャーリーガーを4人輩出
年が変わって2017年。今年の干支は「酉」だ。
球界にも年男となる選手が大勢いるが、その中でも今回は1981年生まれ・36歳になる選手たちに注目。彼らが生まれた時のプロ野球を振り返ってみたい。
1981年生まれと言えば、現在もメジャーで活躍する岩隈久志をはじめ、去就に注目が集まる川崎宗則、さらに現在はソフトバンクで活躍する和田毅、そして日本ハムの田中賢介と、実に4人ものメジャーリーガーを輩出した。
その他にも今オフ阪神へ移籍した糸井嘉男や、鳥谷敬、ヤクルトの館山昌平などといった実力者たちの名前も。世代で見ると、高校時代はいわゆる“松坂フィーバー”の翌年にあたり、「谷間」などと呼ばれることもあったが、今となっては松坂世代に負けず劣らずの豊作年である。
【2017年の年男・36歳】
石井裕也(投手/日本ハム)
田中賢介(内野手/日本ハム)
和田 毅(投手/ソフトバンク)
高谷裕亮(捕手/ソフトバンク)
鶴岡慎也(捕手/ソフトバンク)
古谷拓哉(投手/ロッテ)
岸田 護(投手/オリックス)
実松一成(捕手/巨人)
脇谷亮太(内野手/巨人)
高宮和也(投手/阪神)
鳥谷 敬(内野手/阪神)
糸井嘉男(外野手/阪神)
館山昌平(投手/ヤクルト)
藤井淳志(外野手/中日)
工藤隆人(外野手/中日)
※外国人選手は除く
1981年・プロ野球界の主な出来事
1981年のプロ野球と言えば、若大将こと原辰徳がデビュー。その巨人は長嶋茂雄監督の後を継いだ藤田元司新監督がチームを8年ぶりの日本一へと導き、原は新人王を獲得している。
とにかく投手陣が強固で、リーグMVPに輝いた江川卓が防御率、勝利数、奪三振、勝率の投手四冠を達成。脇を固める西本聖、加藤初、定岡正二もそれぞれが2ケタ勝利をクリアするなど、屈指の先発陣が活躍を見せた。
また、印象的な出来事といえば、阪神・江本孟紀の電撃引退だろう。かの有名な「ベンチがアホやから~」発言(報道)により、34歳にしてこの年限りでユニフォームを脱ぐこととなった。本人が後にテレビや新聞などで“後日談”を語る機会も多く、この一件だけを知っているという方も多いかもしれない。
一方のパ・リーグでは、日本ハムがリーグ制覇。前期こそ4位に終わるも、後期で優勝を果たすと勢いのままにプレーオフでロッテを撃破。東映時代の1962年以来で19年ぶり2度目、日本ハムとしては初めての優勝を手にした。
リーグMVPに輝いた江夏豊の活躍も大きな原動力となったが、この年輝いたというところでいくと間柴茂有の名前も挙げたい。
前年に自身初の2ケタ勝利を挙げた左腕は、開幕から破竹の勢いで勝ち進む。ついに9月、開幕14連勝のプロ野球新記録を作ると、最終的には15勝0敗でシーズン終了。戦後プロ野球初の「勝率10割」を成し遂げ、最高勝率のタイトルも手にした。
その他では、ロッテの落合博満がレギュラーに定着。自身初のタイトルとなる首位打者を獲得し、翌年の三冠へ弾みをつけたのがこの年だった。
プロ野球・新時代の幕開け
1974年に長嶋茂雄が引退し、1980年に王貞治が引退。プロ野球の象徴であった“ON”がグラウンドから去り、新たなヒーローの誕生を誰もが求めていた。
そんな中、新たな看板選手となる原辰徳がデビュー。巨人の4番を背負うなど、世代交代のキッカケとなった。
また、パ・リーグでも後の西武黄金時代を支える石毛宏典が新人王を獲得。さらに球界最強打者となる落合博満が初の打撃タイトル獲得など、新時代の幕開けを予感させるとともに、輝かしい未来が見えた一年となった。
【おまけ・1981年のベストナイン】
<投手>
セ:江川 卓(巨人)
パ:村田兆治(ロッテ)
<捕手>
セ:山倉和博(巨人)
パ:梨田昌崇(近鉄) ※登録名は当時のもの
<一塁手>
セ:藤田 平(阪神)
パ:柏原純一(日本ハム)
<二塁手>
セ:篠塚利夫(巨人)
パ:落合博満(ロッテ)
<三塁手>
セ:掛布雅之(阪神)
パ:有藤通世(ロッテ)
<遊撃手>
セ:山下大輔(大洋)
パ:石毛宏典(西武)
<外野手>
セ:山本浩二(広島)
セ:ライトル(広島)
セ:田尾安志(中日)
パ:テリー(西武)
パ:福本 豊(阪急)
パ:島田 誠(日本ハム)
<指名打者>
パ:門田博光(南海)