ニュース 2017.01.09. 18:00

このままでは終われない 復活が待たれる“松坂世代”

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ソフトバンクの松坂大輔

ソフトB・松坂は昨季1試合に登板


 長年プロ野球界を引っ張ってきた“松坂世代”。和田毅(ソフトバンク)が昨季最多勝に輝き、不振に苦しんだ村田修一(巨人)が復活したが、苦しんだ選手が多かった印象だ。

 今年で37歳を迎える“松坂世代”の多くの選手が、このままでは終われないという気持ちだろう。世代頭の松坂大輔(ソフトバンク)は、横浜高時代にエースとして春夏甲子園連覇を達成し、プロ入りしてからも西武時代に史上初となる高卒1年目から3年連続最多勝。日本のエースとしてWBCで2度の世界一に貢献。メジャーではレッドソックス時代の08年に18勝をマークするなど、常に世代の先頭を走ってきた。

15年に9年ぶりにソフトバンクに復帰したが、右肩の故障で1年目は一軍登板なし。2年目の昨季、10月2日の楽天戦で日本球界では3648日ぶりにマウンドにあがったが、1イニングを打者10人に対して、3安打4四死球2奪三振5失点。全盛期には程遠い内容で、悔しいマウンドとなった。

 復活を目指す今季に向けて、オフは自ら志願してプエルトリコのウインターリーグに参戦。最終登板となった12月28日のアグアディヤ戦で、7回を3安打1失点に抑えた。3年契約3年目を迎える松坂。2年間はチームに貢献できなかっただけに、今季に懸ける思いは人一倍強いだろう。


巨人・杉内は昨季一軍登板なし


 松坂とともに、この世代を引っ張ってきた杉内俊哉(巨人)の復活に期待したいところ。杉内はソフトバンク時代に最多勝、最優秀防御率、最多奪三振といったタイトルを獲得し、11年オフにFA宣言し巨人へ移籍。藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄など歴代の生え抜きのエースが背負った“18”を着けた杉内は、そのプレッシャーを跳ね除け、移籍1年目から3年連続2ケタ勝利を達成した。

 しかし、15年は長年悩まされていた股関節を手術したこともあり6勝に終わると、同年の契約更改では、減額制限を大きく超える4億5000万円ダウンの5000万円でサインした。(金額は推定)

 昨季は三軍戦で2試合に登板した後、7月30日のロッテ戦で二軍戦に復帰。8月16日のヤクルトとの二軍戦では、405日ぶりに東京ドームのマウンドに上がり、6回を3失点に抑えた。だが故障前のような力強い球を投げることが出来ず、4試合に登板して1勝2敗、防御率5.21。プロ入り後初めて一軍のマウンドにあがることなく、シーズンを終えた。

 このオフは山口俊をFA、吉川光夫をトレードで獲得するなど、先発投手を積極的に補強。プロ通算142勝を挙げる実績のある杉内だが、昨季は一軍登板が一度もなく、先発ローテーションを奪いにいかなければならない立場だ。

 その他、通算1000安打が残り10本に迫った梵英心(広島)、昨季は5勝に終わった久保康友(DeNA)、オリックスに加入後苦戦が続く小谷野栄一(オリックス)なども復活が待たれる。

 かつてチームを引っ張っていた新垣渚、森本稀哲、東出輝裕などは現役を引退し、“松坂世代”の現役選手は気が付けば15人前後しかいなくなった。大谷翔平(日本ハム)、山田哲人(ヤクルト)といった若い選手の活躍が目立つが、“松坂世代”がまだまだやれるというところを示して欲しいところだ。


現役の松坂世代


矢野謙次(日本ハム)
松坂大輔(ソフトバンク)
和田 毅(ソフトバンク)
上本達之(西武)
渡辺直人(西武)
木村昇吾(西武)※育成
小谷野栄一(オリックス)
永川勝浩(広島)
江草仁貴(広島)
梵 英心(広島)
杉内俊哉(巨人)
実松一成(巨人)
村田修一(巨人)
久保康友(DeNA)
後藤G武敏(DeNA)
藤川球児(阪神)
館山昌平(ヤクルト)
工藤隆人(中日)
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