穴だった中堅に陽岱鋼を獲得
今オフ、巨人は陽岱鋼、山口俊、森福允彦と史上初となるFA選手を3人獲得に成功し、外国人もメジャーで昨季57試合に登板したカミネロ、楽天時代の13年に日本一に大きく貢献したマギー、トレードで日本ハムから12年MVP・吉川光夫など3年ぶりのV奪回へ大型補強を敢行した。
巨人はこれまでにも大型補強をすることはあったが、清原和博、江藤智、ローズ、ペタジーニといった大砲や、工藤公康、杉内俊哉など各球団のエース級の投手を獲得するケースが多かった。
しかし、今オフの補強をみると、主力選手をかき集めているだけでなく、弱点だった部分を補強で補っているようにみえる。
日本ハムからFAで加入した陽岱鋼のポジションは中堅。昨季、巨人の外野のポジション別スタメン最多出場者をみると、左翼がギャレットの78試合、中堅が橋本到の55試合、右翼が長野久義の125試合だった。
中堅は、15年に規定打席未到達ながら打率3割を超えるアベレージを残した立岡宗一郎が打撃不振に苦しみレギュラーに定着できなかったため、スタメン最多出場の橋本を始め、松本哲也、重信慎之介など6人の選手がスタメンで起用されるなど固定することができなかった。
そういった意味では、守備で昨季ゴールデングラブ賞を獲得し、打っても昨季リーグ8位の打率.293を記録した陽岱鋼の獲得は弱点を補う補強といえる。
不安定なリリーフ陣も補強
投手陣も、昨季チーム先発防御率がリーグ2位の3.37を記録したが、先発ローテーションを守った投手はエースの菅野智之と自身初となる2ケタ勝利を記録した田口麗斗2人だけ。15年に13勝を挙げたマイコラス、ベテランの内海哲也、大竹寛、杉内俊哉、2年目の高木勇人、若手の今村信貴など多くの先発陣がシーズンを通して活躍することができなかった。
その反省を踏まえて、昨季11勝をマークした山口俊、12年MVPの吉川光夫をトレードで獲得。左右の先発を補強し、先発の層を厚くした。山口と吉川が加入したことで、先発のイスを懸けた争いが例年以上に激しさを増すことが予想される。
リリーフ陣は、昨季の救援防御率がリーグ4位の3.63。長年チームを支えたセットアッパーの山口鉄也が不振、守護神の沢村拓一は最多セーブのタイトルを獲得したが、不安定な投球が目立った。
勝利の方程式の再構築が求められる今季、FAで森福、外国人のカミネロを獲得した。森福は11年から4年連続50試合以上登板し、昨季も50試合に登板した中継ぎのスペシャリスト。守護神候補のカミネロ昨季、メジャーで57試合に登板し、2勝3敗、1セーブ、防御率3.56の成績を残した。制球面に不安を抱えるが、メジャーで実績を残しており期待度は高い。
弱点を補う補強を敢行し、戦力が整いつつある巨人。今季こそリーグ優勝を勝ち取ることができるか注目だ。
巨人のIN/OUT
【IN】
森福允彦(投手/ソフトバンク)
吉川光夫(投手/日本ハム)
山口俊(投手/DeNA)
カミネロ(投手/マリナーズ)
メルセデス(投手)※育成
マギー(内野手/タイガース)
柿沢貴裕(内野手/楽天)
マルティネス(内野手)※育成
陽岱鋼(外野手/日本ハム)
石川慎吾(外野手/日本ハム)
【OUT】
香月良太(投手/戦力外)
ガブリエル(投手/自由契約)
矢貫俊之(投手/戦力外)
ポレダ(投手/自由契約)
公文克彦(投手/日本ハム)
小山雄輝(投手/楽天)
平良拳太郎(投手/DeNA)
ウーゴ(投手/戦力外)
阿南 徹(投手/引退)
加藤 健(捕手/戦力外)
鈴木尚広(外野手/引退)
アブレイユ(外野手/自由契約)
アンダーソン(外野手/自由契約)
大田泰示(外野手/日本ハム)