身長167センチの“小さな大投手”
ファンから愛された三浦大輔(DeNA)、黒田博樹(広島)の両右腕が、2016年シーズン限りでユニフォームを脱いだ。15年もチーム一筋だった山本昌(中日)、西口文也(西武)らが現役を退き、ここ数年で偉大なベテラン投手が相次いで引退した。
年が明け、改めて投手部門の通算記録を見ると、多くの項目上位に“現役最多投手”として石川雅規(ヤクルト)の名前がある。昨季は8月27日の阪神戦(甲子園)で史上48人目となる通算150勝を達成。最終的に152勝まで積み上げたが、シーズントータルでは20試合の登板で8勝8敗、防御率4.47と不本意な成績に終わった。
それでもベテラン左腕には、新たな節目が近づいている。通算2500投球回まで残り63回2/3としており、到達すれば史上46人目となる。昨季は116回2/3に終わり、07年以来9シーズンぶりに規定投球回クリアを逃した。それでも故障なく本来の姿を取り戻すことができれば、十分に達成可能な数字だ。
さらに入団1年目から計15シーズンで13度も規定投球回をクリアし、球界屈指の“イニングイーター”としても知られる石川。身長167センチながら故障に強く、このままのペースで行けば史上28人目となる3000投球回、そして残り48勝としている通算200勝到達も視界に入ってくる。
ヤクルトは今オフ、新助っ人でともに先発タイプのオーレンドルフとブキャナンを獲得し、ドラフトでは1位で寺島成輝(履正社高)、同2位で星知弥(明大)と有望な若手も加わった。16年目を迎える石川の地位は決して安泰ではないが、“小さな大投手”は2017年も、コツコツとイニングを積み重ねていく。