ライバルは充実した自軍の内野陣!?
2016年の新人王は、セ・リーグが阪神の高山俊、パ・リーグは日本ハムの高梨裕稔が受賞した。近年は大学、社会人1年目選手の受賞が続いていたが、高梨は大卒3年目での受賞。高卒から新入団した選手以外の3年目以上の受賞は、高梨が史上初めてだった。
今年の新入団選手には好投手が多く、パ・リーグはソフトバンクの田中正義(創価大)、ロッテの佐々木千隼(桜美林大)、オリックスの山岡泰輔(東京ガス)。セ・リーグは広島の加藤拓也(慶大)、ヤクルトの星知弥(明大)、中日の柳裕也(明大)らが早くも新人王候補に挙げられている。
2年目以降でも、塹江敦哉(広島)、熊原健人(DeNA)、望月惇志(阪神)、野田昇吾、本田圭佑(ともに西武)ら楽しみな投手が多く、野手の西川龍馬(広島)、真砂勇介(ソフトバンク)、平沢大河(ロッテ)らも資格(支配下登録5年以内、投手30イニング以内、野手60打席以内)を有している。
中でも2年目を迎える広島の西川は、1年目から内野のバックアップとして25年ぶりのリーグ制覇に貢献。菊池涼介、田中広輔、ルナ、安部友裕らの存在もあり62試合の出場にとどまったが、打席数は58で同資格を残した。
飛躍が期待される2年目。主戦場の遊撃には切り込み隊長の田中がいるが、ルナが去ったあとの正三塁手候補のひとりとして期待されている。その座を安部や堂林翔太らと争うことになりそうだが、1年目から打率.294をマークした打撃センスは魅力的。守備力も高く、菊池、田中の控えとしても計算できる。
社会人・王子を経ての入団だが、年齢は大谷翔平や鈴木誠也と同じ22歳。緒方監督は連覇の条件に昨季の鈴木のような若手の台頭を挙げており、その中に西川が含まれていることは間違いない。
大ブレークした鈴木が「天才」と称す期待の2年目・西川龍馬。レギュラーを勝ち取ることができれば、自ずと新人王に近い位置にいるはずだ。