緒方孝市,
広島の緒方孝市監督

◆ 「圧勝したチームの翌年」に注目…

 12球団のキャンプインが約2週間後に迫っている。今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)もあり、野球ファンにはあわただしい春となりそうだ。

 侍ジャパンの動向も気になるが、昨季25年ぶりのリーグ優勝を飾った広島が連覇できるかどうかにも注目が集まる。日本シリーズでは惜しくも日本ハムに敗れ、日本一は逃したが、リーグ戦では2位巨人に17.5ゲームもの差をつけた。

 巨人の貯金が僅か2だったのに対し、広島は37。ライバルの5球団がだらしなかったとも言えるが、昨季の広島が投打ともに最も安定していたのは間違いない。今季は黒田博樹の引退などで抜けた穴は決して小さくないが、現時点ではセ・リーグ優勝候補の筆頭といっていいだろう。

 とはいえ、開幕の時点ではどのチームも0勝0敗からのスタート。広島が開幕ダッシュに失敗するようなことがあれば、混戦模様になる可能性も十分ある。昨季の広島と同じように独走Vを果たしたチームが連覇に成功したチームは過去にどの程度あったのだろうか。

 2リーグ制になった1950年以降、2位に17.5ゲーム差以上つけて優勝したチームは昨季の広島を含めて5例しかない。以下はその5つの例と翌年の成績。

▼ 17.5ゲーム差以上離して優勝したチームと翌年順位
・1990年巨人(22.0差) → 91年4位(- 8.0差)
・1951年南海(18.5差) → 52年1位(1.0差)
・1951年巨人(18.0差) → 52年1位(3.5差)
・2011年ソフトバンク(17.5差) → 12年3位(-6.5差)
・2016年広島(17.5差) → 17年?位(?)

 これまでの最大ゲーム差は1990年の巨人で、2位広島とは22ゲームもの差をつけた。しかし翌年の巨人は低迷し、4位に沈んでいる。

 つづいて、ゲーム差を「15」に設定してみよう。「17.5」だと昨年の広島を含めて5例しかなかったが、「15」だと一気に7つ増えて12となる。

▼ 15ゲーム差以上離して優勝したチームと翌年順位
・1983年西武(17.0差) → 84年3位(-14.5差)
・2002年西武(16.5差) → 03年2位(-5.5差)
・1953年巨人(16.0差) → 54年2位(-5.5差)
・1950年毎日(15.0差) → 51年3位(-22.5差)
・1955年巨人(15.0差) → 56年1位(4.5差)
・1977年巨人(15.0差) → 78年2位(-3.0差)
・1985年西武(15.0差) → 86年1位(2.5差)

 こうしてみると、連覇を達成しているのは4例。確率にして約(36%)ということになる。それも4例のうち3例は、今から60年以上前の出来事だ。

 この数字が高いと見るか、低いと見るかは意見が分かれるところだろう。ただ共通して言えるのは、前年に独走を許したライバル球団たちが徹底して包囲網を敷いてきたことは間違いない。1年前はそれほど評価が高くなかった広島だが、今季はマークされる立場となる。

 果たして広島はその包囲網を潜り抜け、連覇を達成することができるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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