ニュース 2017.01.20. 11:30

リリーフから先発に転向した投手といえば…

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ソフトバンク・摂津正
 3年連続20セーブを挙げた西野勇士(ロッテ)は昨年12月に行われた契約更改の席で、「先発で頑張っていきます。数字は1年目に2ケタ勝てなかったので、最低限先発にいくからには2ケタ勝ちたい」と話すなど今季から先発転向が有力視される。

 リリーフから先発に配置転換したケースは意外に多く、摂津正(ソフトバンク)がそのひとり。09年にプロ入りしてから2年間はセットアッパーを務め、2年連続最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。2年目の10年は、甲藤啓介、ファルケンボーグ、守護神の馬原孝浩とともに勝利の方程式・“SBM48 ”を形成。リーグ優勝に大きく貢献した。

 2年連続70試合に登板するなど、ソフトバンクのリリーフ陣に欠かせない存在となっていたが、11年から先発に転向。先発でも得意のシンカーを武器に11年は14勝を挙げ、長いイニングでも結果を残せるところを示した。翌12年には両リーグ最多の17勝をマークし、最多勝、最高勝率のタイトルを獲得。沢村賞も受賞した。13年以降も15勝、10勝、10勝と勝ち星を積み重ね、5年連続2ケタ勝利を達成。昨季は2勝に終わったが、リリーフから先発に配置転換し成功した選手といえる。

 巨人へFA移籍した山口俊(DeNA)もリリーフから先発に転向した選手だ。山口はプロ入り当初は先発を務めていたが、3年目の08年から本格的にリリーフに転向。11年には34セーブをマークするなど、抑えで通算111セーブをあげている。

 しかし、13年頃からリリーフで失敗する場面が目立ち、14年シーズン途中から先発へ配置転換。これが上手くハマった。6月1日のロッテ戦で7年ぶりに先発登板すると、この試合で6回無失点に抑え勝利投手。6月は4試合に登板して、3勝1敗、防御率0.99の成績を残し、同月の月間MVPに輝いた。先発で輝きを取り戻した山口は、同年8勝をマーク。15年は3勝に終わったが、16年は自身初となる2ケタ11勝を記録。規定投球回にわずかに到達しなかったものの、防御率2.86を記録した。

 一方でプロ2年目にリリーフで44試合に登板した浅尾拓也は、09年に先発へ転向すると、いきなり開幕投手に抜擢。横浜との開幕戦で8回を1失点に抑え勝利投手となったが、その後は不安定な投球が続き、シーズン途中からリリーフへ再度配置転換した。10年と11年にはセットアッパーとして、球団初のリーグ2連覇に貢献。自身も11年にリーグMVPを獲得する活躍だった。

 リリーフで結果を残したからといって、必ず先発で成功しているとはいえず、向き不向きがあるといえそうだ。今年は西野を始め、宮国椋丞(巨人)、又吉克樹(中日)、福谷浩司(中日)など先発転向が噂される投手が多い。仮に先発に転向となった場合、彼らは活躍することができるか注目だ。
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