16年のチーム防御率は12球団ワースト
ヤクルトの春季キャンプメンバーが20日に発表され、ドラフト1位で入団した寺島成輝らが沖縄・浦添での一軍キャンプメンバーに名を連ねた。さらに、メジャー通算30勝を誇るオーレンドルフら新外国人4選手も一軍入り。投手陣は22人中7人が新加入選手となった。
2016年は投手陣が安定感を欠き、12球団ワーストのチーム防御率(4.73)を記録したヤクルト。先発陣では小川泰弘、石川雅規らの不調に加え、期待の原樹理ら故障者が続出。救援陣はオンドルセクが問題行動の末に退団するなど、首脳陣は最後までやり繰りに苦心した。
シーズンでの投壊を受け、ドラフトでは寺島、同2位・星知弥、同3位・梅野雄吾、同4位・中尾輝、同6位・菊沢竜拓と5投手を指名した。ここから梅野を除く4投手が一軍キャンプメンバーに名を連ね、新外国人も先発候補のオーレンドルフとブキャナン、救援タイプのギルメットと全3投手が浦添行きとなった。
全6助っ人が一軍キャンプ、どうなる外国人枠
外国選手はほかにも、昨季69試合に登板し防御率3.06を記録したルーキ、新加入野手のグリーン、そしてヤクルトで7年目を迎えるバレンティンと、全6選手が一軍入り。4つしかない外国人枠争いからも目が離せない。
助っ人起用が流動的になりそうなぶん、ドラフト組にかかる期待は大きい。近年は中継ぎメインだった石山泰稚、村中恭兵を先発に戻す予定だが、復活を目指す館山昌平や成瀬善久、さらに2年目を迎える原らも含め、未知数な部分が多い。それだけに期待の高卒左腕・寺島が割って入る可能性もありそうだ。
救援陣は昨季、勝ち試合で奮投した秋吉とルーキがともに70試合近く登板。秋吉は開幕前に開催されるWBCにも出場予定で、両右腕の負担を軽減するためにも救援タイプの星、中尾らには即戦力として期待がかかる。
優勝した15年は、勝ちパターンを担ったバーネット、オンドルセク、ロマンの存在が大きく、チーム防御率は3.31を誇った。5位だった昨季は野手陣にも故障者が相次いだが、16年のチーム打率は.256、チーム総得点は594で、優勝した15年の同打率.257、同574と大差なかった。
得点力が安定しているぶん、投手力が最大の課題であることは言わずもがな。新加入投手が既存戦力にどうマッチするか注目したい。