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2000本安打まで83本…巨人・阿部慎之助 ~スポーツ人間模様~

【プロ野球巨人】契約を更改し会見に臨む巨人・阿部慎之助 2016年11月24日 写真提供:産経新聞社

◆ 「スポーツ人間模様」 ~巨人・阿部慎之助~

 通算2000本安打の達成まで、残り83本と迫る阿部慎之助。意外なことに、巨人生え抜きの2000本は川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、そして柴田勲のわずか4人しかいないのです。大卒にいたっては、長嶋以来というのですから、かなりのモチベーションとなることは間違いありません。

 伸び悩んでいた大田泰示が移籍しましたが、これは阿部を生かす布陣を敷くため。今季は堤GMから直々に「一塁をフルで」と伝えられている。期待の若手・岡本和真は一塁もしくは三塁がポジションですが、阿部を固定すれば、三塁は必然的に村田修一ということになります。

 となると今季と変わらないメンバーとなり、宮崎秋季キャンプで村田ヘッドコーチがボヤいた、「若手を見回しても、慎之助、(坂本)勇人、(村田)修一を脅かす若手がいない」が現実になります。

 巨人では広島やDeNAのように若手がいっこうに育たない。昨季は2位といっても、優勝した広島には17.5ゲームもの差をつけられての屈辱的なものでした。

 高橋由伸監督は、阿部慎之助について、「今年(2016年)は本人に任せてきて失敗。来年はそうはさせない」と周囲には漏らしているという。

 それを察知した阿部は、早くも11月から沖縄・伊江島で異例の自主トレをスタートさせました。03年の右肩痛が引き金となり、両太もも、両足ふくらはぎなどの故障に悩まされてきました。

 しかし、ここで引退していくようでは男が廃る。周りの厳しい空気、ファンからの叱責は十分、阿部に届いています。年明けには小林誠司らを引き連れてグアムへ。後釜の育成にも尽力してきました。すべて“今年こそは”という本人の意気込みなのでしょう。

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