第2回大会で日本代表の指揮を執った原辰徳

◆ 06年の代表最多選出はロッテ

 3月に開催される「第4回ワールドベースボールクラシック」(WBC)侍ジャパンの28名が発表された。球団別では昨季日本一に輝いた日本ハムが宮西尚生、大谷翔平、増井浩俊、大野奨太、中田翔の5人が最多だ。キャンプ後半からオープン戦までチームを離れるとなると、代表選手を多く輩出した球団は戦術、調整面など不安要素がでてくる。

 では過去3大会、代表を多く輩出した球団はシーズンでどのような成績を残したのか見ていきたい。第1回大会(2006年)は前年31年ぶりに日本一に輝いたロッテから清水直行、里崎智也、西岡剛など12球団最多の8名が選出された。WBCでは里崎、西岡がレギュラーで出場し、投手陣も渡辺俊介、藤田宗一、薮田安彦などが世界一の立役者となった。

 8人もの選手をWBCに派遣したロッテはシーズンがはじまると、5月終了時点で32勝22敗の首位を走っていたが、6月は9勝13敗と負け越し。7月以降も負けが先行し、65勝70敗1分の4位でシーズンを終えた。WBC出場組は小林、薮田は好成績を記録したが、渡辺俊は5勝11敗、防御率4.35と精彩を欠き、野手陣も前年打率3割を記録した今江が打率.267に終わった。

2006年
ロッテ(8人)
65勝70敗1分 4位
投 手:清水直行、藤田宗一、薮田安彦、渡辺俊介、小林宏之
捕 手:里崎智也
内野手:西岡剛、今江敏晃

◆ 09年の代表最多選出は巨人

 第2回大会は、巨人が12球団最多の5人が選出された。当時巨人の監督を務めた原辰徳監督が日本代表の指揮を執った。監督、主力がキャンプ後半からオープン戦にかけて不在となった中、この年の巨人は89勝を挙げてリーグ3連覇を達成。02年以来7年ぶりの日本一に輝いた。

 ラミレス、グライシンガー、ゴンザレス、クルーンといった外国人選手に加え、新人王に輝いた松本哲也、自身初の3割を記録した坂本勇人といった選手たちが躍動。WBCに出場した山口は2年連続で60試合以上に登板し、阿部はチーム最多の32本塁打を記録した。大会前、巨人でレギュラーではなかった亀井義行は同年、レギュラーに定着し、自己最多の25本塁打、71打点をマークする活躍を見せた。

2009年
巨人(5人)
89勝46敗9分 1位 ☆日本一
投 手:内海哲也、山口鉄也
捕 手:阿部慎之助
内野手:小笠原道大
外野手:亀井義行

◆ 13年の代表最多選出は巨人

 第3回大会も巨人が阿部、坂本、長野など12球団最多の7人の選手を代表に送り込んだ。

 巨人は、2位阪神に12.5ゲーム差をつけてリーグ3連覇を達成した。WBC組は坂本が打率.265、沢村が5勝10敗と苦戦したが、内海が13勝、杉内が11勝、山口も64試合に登板して防御率1.22、長野が65打点、阿部がチーム最多の32本のアーチを描いた。

 WBCに不出場組の村田修一が打率.316、ルーキーの菅野が13勝、守護神の西村健太朗が42セーブをマークするなど、層の厚さが際立つシーズンとなった。

2013年
巨人(7人)
84勝53敗7分 1位
投 手:沢村拓一、杉内俊哉、内海哲也、山口鉄也
捕 手:阿部慎之助
内野手:坂本勇人
外野手:長野久義

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