田中はDeNAへ移籍
昨季、オリックスを自由契約となり、ヤクルトに移籍した坂口智隆が、打率.295、39打点の成績を記録し復活。今季も田中浩康(DeNA)、細川亨(楽天)、柳瀬明宏(阪神)など昨オフに自由契約となった選手が他球団へ移籍した。
ヤクルトを自由契約となり、DeNAに入団した田中浩は復活に期待がかかる選手のひとりだろう。田中浩はヤクルト時代、プロ3年目の07年に二塁のレギュラーに定着すると、10年には打率.300を記録するなど、長年ヤクルトの正二塁手に君臨した。
しかし、13年に開幕から打撃不振が続き、次第に山田哲人に出場機会を奪われるようになり、翌14年に完全にレギュラーを奪われた。ベンチを温める日々が続いた田中は、昨季戦力外となった。
戦力外となった田中だが、犠打や守備といったチームの補強ポイントに合致したことでDeNAに入団が決まった。DeNAの二塁事情を見ると、昨季は石川雄洋の73試合の先発出場が最多で、次いで宮崎敏郎の36試合とレギュラーを固定できていない状況だ。
また、DeNAは2番に梶谷隆幸を置くなど、攻撃的な野球を展開していることも関係しているのか、昨季のチーム犠打数はリーグワーストの81。田中浩は現役通算最多の293犠打を記録し、11年には62犠打をマークするなど小技という面で重宝されるだろう。DeNAには山田のような絶対的な存在がおらず、オープン戦で結果を残せば復活する可能性が高そうだ。
細川は楽天へ
ソフトバンクを戦力外となり楽天に移籍した細川亨は、ソフトバンク時代正捕手として11年から3度のリーグ優勝に貢献した。昨季は故障に悩まされ、移籍後最少の49試合の出場にとどまったが、CSでは7試合中、5試合で先発マスクを被った。
楽天の捕手事情はというと、侍ジャパンに選出された嶋基宏、2年目の足立祐一、打撃が得意な伊志嶺忠などがいる。そんな中、楽天は細川を獲得した。
細川を獲得した背景に、この2年間のソフトバンクとの対戦成績も関係していそうだ。楽天はソフトバンクとの対戦成績が2年連続で、8勝16敗1分大きく負け越している。手も足も出なかったソフトバンクを熟知する細川の加入はかなり大きい。また、細川としてもソフトバンク戦で貢献すれば、出場機会を増やすこともできそうだ。
柳瀬は阪神で復活を目指す
投手ではソフトバンクを戦力外となり阪神へ移籍した柳瀬明宏が、復活に期待がかかる。
柳瀬はソフトバンク時代、リリーフとして活躍し、12年から3年連続で30試合以上に登板。13年には44試合に登板して、防御率1.52と安定した成績を残せば、リーグ優勝した14年はビハインドゲームを中心に40試合に登板した。しかし、ここ2年は二軍暮らしが続き、昨季限りでソフトバンクを戦力外となった。
新天地の阪神は、昨季救援防御率リーグ3位の3.29を記録したが、勝ちパターンの投手を構築できず苦しんだ。現時点ではマテオ、メンデス、藤川球児、岩崎優などが、勝ちパターンの候補に挙げられているが、キャンプ、オープン戦で結果を残せば、その役割を担うチャンスは十分にある。
実績のある戦力外組は、新天地で昨季の坂口のように輝きを取り戻すことができるか注目だ。