松井裕が4勝、小笠原が2勝
ヤクルトのドラフト1位ルーキー・寺島成輝(履正社高)が、プロ入り後初のブルペンで、捕手を立たせたまま30球を投げ込んだ。昨年夏に行われた『第11回 BFA U-18アジア選手権』のチャイニーズタイペイ戦では、5回を0安打12奪三振無失点と好投するなど、“高校BIG3”と呼ばれた左腕。本格派の左腕ということもあり、注目度はかなり高い。
高卒1年目の右投手では平成に入ってから、松坂大輔、田中将大、藤浪晋太郎が2ケタ勝利を挙げ、ダルビッシュ有、唐川侑己などが5勝をマークした。一方、高卒の左投手は、平成に入ってから2ケタ勝利を挙げた投手がいない。
期待度の高かった高卒ドラ1サウスポーをみると、直近では東海大相模高時代の3年夏に甲子園大会を制した小笠原慎之介(中日)がいる。小笠原はプロ1年目の昨季、5月31日のソフトバンク戦でプロ初登板すると、9月4日の巨人戦でプロ初勝利を記録。1年目は15試合に登板して、2勝6敗、防御率3.36という成績だった。
13年のドラフトで楽天に入団した松井裕は、桐光学園時代の2年夏、1回戦の今治西戦で、甲子園大会史上最多の10連続奪三振と1試合22奪三振を記録した。ドラフトでは5球団が競合するなど、“高校ナンバー1”投手の評価だった。プロ入り後はオープン戦で結果を残し、先発ローテーション入りを果たすも、初登板から4連敗。シーズン途中にはリリーフを務めるなど、27試合に登板して4勝8敗、防御率3.80だった。
09年のドラフトで6球団から指名を受け西武に1位で入団した菊池雄星(西武)、オリックスと巨人の抽選の末、05年高校生ドラフト1位で巨人に入団した辻内崇伸(巨人)は松井裕、小笠原以上に注目されていた。大きな期待を受けて入団した菊池と辻内だったが、故障のため1年目の登板は1試合もなかった。
その他、3月に開催される『第4回 ワールドベースボールクラシック』(WBC)の日本代表に選出された岡田俊哉(中日)、広島と楽天の2球団が競合し楽天に入団した森雄大(楽天)といった左投手もドラフト1位で入団しているが、1年目は一軍のマウンドに立つことができなかった。
高卒のドラ1左腕は、右投手に比べると1年目から結果を残している投手が少ない印象。寺島は1年目から先発ローテーションに割って入ることができるだろうか。
平成以降の高卒ドラ1左腕の1年目成績
※(入団球団 / ドラフト年)
※☆は甲子園優勝投手
石井一久(ヤクルト / 91年)
1年目:12試 0勝0敗 防4.18
安達智次郎(阪神 / 92年)
1年目:一軍登板なし
嘉勢敏弘(オリックス / 94年)
1年目:一軍登板なし
前川勝彦(近鉄 / 96年)
1年目:5試 0勝0敗 防14.40
伊藤彰(ヤクルト / 96年)
1年目:一軍登板なし
川口知哉(オリックス / 97年)
1年目:一軍登板なし
正田樹(日本ハム / 99年)☆
1年目:5試 0勝0敗 防4.50
河内貴哉(広島 / 99年)
1年目:10試 1勝4敗 防4.25
高井雄平(ヤクルト / 02年)
1年目:27試 5勝6敗 防5.03
柳田将利(ロッテ / 05年)
1年目:一軍登板なし
片山博視(楽天 / 05年)
1年目:一軍登板なし
村中恭兵(ヤクルト / 05年)
1年目:1試 0勝1敗 防12.00
辻内崇伸(巨人 / 05年)
1年目:一軍登板なし
吉川光夫(日本ハム / 06年)
1年目:19試 4勝3敗 防3.66
田中健二朗(横浜 / 07年)☆
1年目:一軍登板なし
中崎雄太(西武 / 08年)
1年目:一軍登板なし
赤川克紀(ヤクルト / 09年)
1年目:1試 0勝0敗 防99.99
岡田俊哉(中日 / 09年)
1年目:一軍登板なし
菊池雄星(西武 / 09年)
1年目:一軍登板なし
松本竜也(巨人 / 11年)
1年目:一軍登板なし
森 雄大(楽天 / 12年)
1年目:一軍登板なし
松井裕樹(楽天 / 13年)
1年目:27試 4勝8敗 防3.80
小笠原慎之介(中日 / 15年)☆
1年目:15試 2勝6敗 防3.36