◆ 最近5年間の新外国人成績
1日にプロ野球はキャンプイン。今季もカミネロ(巨人)、ジェンセン(ソフトバンク)、アラウホ(中日)など多くの新外国人選手が入団した。新外国人の活躍がチームの命運を分けることも少なくない。ここでは、最近5年間でDeNAの新外国人選手がどんな成績を残したのか見ていきたい。
【2012年】
巨人から移籍したラミレスは、低迷するチームの中で、4番打者として打率.300、19本塁打、76打点と躍動した。
一方でその他の助っ人外国人は、失敗した印象が強い。特に投手はジオが1勝6敗、途中加入したクレイマーは2試合に登板して、0勝1敗、防御率10.80に終わった。
<投手>
クレイマー
12年成績:2試 0勝1敗 防10.80
☆途中加入
ジオ
12年成績:8試 1勝6敗 防3.92
<野手>
ラミレス
12年成績:137試 率.300 本19 点76
☆巨人から加入
サラサー
12年成績:13試 率.222 本0 点1
ルイーズ
12年成績:32試 率.210 本2 点5
☆途中加入
【2013年】
中日から加入したブランコ、ソーサの活躍が光った。
ブランコは3・4月に打率.350、15本塁打を記録すると、その後も好調を維持し、来日後自己最高となる打率.333、41本塁打、136打点をマーク。バレンティン(ヤクルト)がシーズン日本新記録となる60本塁打を記録したため本塁打王を逃したが、首位打者と打点王に輝いた。
ソーサは春先セットアッパーを務めていたが、守護神・山口俊の不振によりシーズン途中から抑えに配置転換。8月と9月は19試合に登板して、防御率0.00、11セーブを記録するなど抜群の安定感を誇った。
また、モーガンは3・4月、打率.132と苦しんだが、6月、7月、8月は打率3割を超えるアベレージを記録。夏場以降はセンターのポジションを確保し、規定打席に届かなかったが、打率.294を残した。
<投手>
ソーサ
13年成績:55試 3勝4敗19S 防1.79
☆中日から加入
ソト
13年成績:8試 1勝3敗 防9.68
☆中日から加入
ジェン・カイウン
13年成績:6試 0勝2敗 防7.29
☆阪神から加入
コーコラン
13年成績:7試 1勝3敗 防5.61
☆途中加入
<野手>
モーガン
13年成績:108試 率.294 本11 点50
ブランコ
13年成績:134試 率.333 本41 点136
☆中日から加入
【2014年】
14年はモスコーソが、久保康友、井納翔一、山口俊らと先発ローテーションの一角を担い9勝を挙げた。ちなみにモスコーソが記録した9勝は、球団の外国人投手のシーズン最多勝利となっている。
野手では途中加入したグリエルが、3番打者に座り、ブランコ、筒香嘉智とともに打線を引っ張った。規定打席の到達を逃したが、打率.305、11本塁打、30打点を記録した。
<投手>
モスコーソ
14年成績:24試 9勝9敗 防3.39
<野手>
バルディリス
14年成績:139試 率.255 本17 点52
☆オリックスから加入
グリエル
14年成績:62試 率.305 本11 点30
☆途中加入
【2015年】
15年は投手がエレラ、野手は巨人から加入したロペスが存在感を見せた。
エレラは守護神・山崎康晃に繋ぐセットアッパーとして、52試合に登板。チームトップの22ホールドを記録した。特に本拠地の横浜スタジアムでは、25試合に登板して、防御率1.00と無類の強さを誇った。
野手は巨人から加入したロペスが、4番筒香の後を打つ5番打者として、チームトップの25本塁打を記録。前年自由契約となった巨人から6本のアーチを描いた。
<投手>
エレラ
15年成績:52試 5勝4敗 防2.96
ビロウ
15年成績:1試 0勝1敗 防33.75
☆途中加入
<野手>
ロペス
15年成績:140試 率.291 本25 点73
☆巨人から加入
グリエルJr.
15年成績:一軍出場なし
【2016年】
途中加入した野手のエリアンが内野のユーティリティープレーヤーとして役割を果たしたが、その他の助っ人は期待に応えられなかった。
特にラミレス監督から5番打者として期待されたロマックは、3月26日の広島戦から4月20日の広島戦の第4打席まで33打席無安打と、日本の投手に苦戦した。
<投手>
ペトリック
16年成績:15試 3勝2敗 防5.51
ザガースキー
16年成績:32試 3勝1敗 防4.96
☆途中加入
ブロードウェイ
16年成績:5試 0勝0敗 防4.50
☆途中加入
<野手>
ロマック
16年成績:30試 率.113 本0 点2
エリアン
16年成績:79試 率.218 本5 点33
☆途中加入
◆ 今季加入した外国人
【2017年】
クライン
生年月日:1989年4月30日
出身地:アメリカ
ポジション:投手
身長/体重:201センチ/116キロ
投/打:右投/右打
パットン
生年月日:1988年2月20日
出身地:アメリカ
ポジション:投手
身長/体重:185センチ/91キロ
投/打:右投/右打
ウィーランド
生年月日:1990年1月21日
出身地:アメリカ
ポジション:投手
身長/体重:188センチ/93キロ
投/打:右投/右打
シリアコ
生年月日:1987年6月16日
出身地:ドミニカ共和国
ポジション:内野手
身長/体重:191センチ/102キロ
投/打:右投/右打
◆ 13年組が大当たり
最近5年間の外国人をみると、2013年に加入した助っ人が大当たりした。
中日から加入したブランコが首位打者と打点王、ソーサはシーズン中盤から守護神を務める活躍を見せた。さらに、モーガンは春先こそ日本の投手に苦戦したが、6月以降は日本の投手に対応し、規定打席に届かなかったが打率.294を記録した。
その他のシーズンも、12年がラミレス、14年がモスコーソとグリエル、15年がエレラとロペスと活躍しており、外れ外国人が少ない印象だ。