ビシエド ,
中日のダヤン・ビシエド

◆ 最近5年間の新外国人成績

 1日にプロ野球はキャンプイン。今季もカミネロ(巨人)、ジェンセン(ソフトバンク)、アラウホ(中日)など多くの新外国人選手が入団した。新外国人の活躍がチームの命運を分けることも少なくない。ここでは、最近5年間で中日の新外国人選手がどんな成績を残したのか見ていきたい。

【2012年】

 8年続いた落合博満体制が終了し、高木守道監督が新たに指揮をとったこの年、ソーサとディアスの2人が加入した。

 ソーサは来日初登板から7月26日の阪神戦まで、23試合連続で自責点なしと抜群の安定感を誇った。疲れが見えた9月に10試合の登板で11失点したが、シーズン53試合に登板して、5勝1敗4S、防御率1.85を記録した。

<投手>
ソーサ
12年成績:53試 5勝1敗4S 防1.85

<野手>
ディアス
12年成績:21試 率.174 本0 点1

【2013年】

 2001年以来となるBクラスに沈んだ中日。暗い話題が多かった中、ルナが規定打席に届かなかったものの、打率.350を記録した。

 ルナは開幕から安打を量産し、4月17日のヤクルト戦が終了時点で打率.449をマークするなど、3・4月は月間打率.398で終える。5月に入ってからも勢いが止まらないルナは、5月終了時点で打率.400を記録。4割打者誕生に期待が高まったが、その後は故障で欠場した期間が長く、規定打席に届かずシーズンを終えた。

<投手>
ブラッドリー
13年成績:14試 2勝2敗 防3.71

カブレラ
13年成績:20試 6勝5敗 防3.09

マドリガル
13年成績:31試 2勝0敗 防3.23
☆途中加入

<野手>
ルナ
13年成績:85試 率.350 本9 点51

クラーク
13年成績:132試 率.238 本25 点70

【2014年】

 2年連続Bクラスに終わった中日。エルナンデス、パヤノはまずまずの成績を残したが、チームを救うような活躍を見せる選手が現れなかった。

 エルナンデスは3・4月が終了した時点で打率.071、5月終了時点で打率.130と苦戦したが、6月は月間打率.355を記録。6月からスタメンでの出場が増え、遊撃、二塁とユーティリティーにこなした。

<投手>
パヤノ
14年成績:23試 0勝2敗 防2.59

<野手>
エルナンデス
14年成績:86試 率.262 本5 点32

ゴメス
14年成績:12試 率.077 本0 点0

【2015年】

 15年はバルデスが、来日初登板となった3月28日の阪神戦から5月14日のDeNA戦まで9試合連続白星なし。その間、QS(6回3自責点以内)を8試合記録するなど、好投を見せていたが勝ち運に恵まれなかった。

 5月19日の広島戦で来日初白星をマークしたが、その後も黒星が先行。22試合に登板して、5勝8敗、防御率3.18を記録した。

 また、シーズン途中に加入したネイラーは、8月1日の巨人戦で来日初登板を果たすと、シーズンが終わるまで先発ローテーションを守った。

<投手>
リーバス
15年成績:一軍登板なし

バルデス
15年成績:21試 5勝8敗 防3.18

ペレス
15年成績:一軍登板なし

ネイラー
15年成績:10試 4勝3敗 防3.81
☆途中加入

<野手>
ナニータ
15年成績:52試 率.308 本0 点15

【2016年】

 15年リーグワーストの71本塁打に終わった中日は、メジャー通算66本塁打を放ったビシエドが加入。

 ビシエドは、開幕から3試合連続本塁打を放つなど、3・4月、打率.347、9本塁打、23打点の活躍で月間MVPに輝く。長打力不足に泣いた打線の軸として存在感を示したビシエドだったが、他球団も研究し5月は月間打率.260、6月は月間打率.184と抑え込まれる。

 それでも、7月に月間打率.311、5本塁打、9月に月間打率.375を記録するなど、復調しシーズンを終えた。

<投手>
ハイメ
16年成績:一軍登板なし

ジョーダン
16年成績:21試 6勝6敗 防4.24

セプティモ
16年成績:3試 0勝1敗 防4.26

<野手>
ビシエド
16年成績:119試 率.274 本22 点68

◆ 今季加入した外国人

【2017年】

アラウホ
生年月日:1991年7月15日
出身地:ベネズエラ
ポジション:投手
身長/体重:200センチ/125キロ
投/打:左投/左打

ロンドン
生年月日:1988年2月16日
出身地:ベネズエラ
ポジション:投手
身長/体重:186センチ/99キロ
投/打:右投/右打

ゲレーロ
生年月日:1986年11月20日
出身地:キューバ
ポジション:内野手
身長/体重:182センチ/99キロ
投/打:右投/右打

◆ まずまずの働きを見せるも…

 落合博満監督時代の04年からの8年間で4度リーグ優勝、1度の日本一に輝いたときには、投手ではチェン、ドミンゴ、ネルソン、野手ではアレックス、ウッズ、ブランコといった外国人がチームの中心として活躍した。

 最近5年間の外国人をみると、12年加入のソーサがセットアッパーとして活躍したが、13年加入のルナは打率.350を記録したが故障が多く、16年加入のビシエドは3・4月に月間MVPを獲得する活躍を見せるも、シーズンを通して活躍することができなかった。まずまずの働きを見せるも、チームを引っ張るような働きを見せることができていない印象だ。

 今季加入した投手のアラウホ、ロンドン、野手のゲレーロの2人は、即戦力としての働きを見せることができるだろうか…。

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