ニュース 2017.02.13. 07:45

先発とリリーフを両方こなす“便利屋”は?

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西武の牧田和久

牧田は先発、リリーフで結果を残す


 投手分業制となった今、“先発”、“中継ぎ”、“抑え”と役割が決まっている。そんな中、時には先発、チーム事情で中継ぎを務めるなど“便利屋”的な投手がいる。

 3月に開催される『第4回ワールドベースボールクラシック』(WBC)に選出された牧田和久(西武)がそうだろう。牧田はプロ1年目の11年、春先は先発を務めていたが、チーム事情の関係でシーズン途中に抑えに配置転換。翌12年からは先発に戻り、12年には自己最多の13勝を挙げた。

 13年のWBCで日本代表の抑えを務めたが、チームでは先発を任されていた。15年は開幕から先発を務めていたが、抑えだった高橋朋己が打ち込まれる場面が増えたため、一時的に抑えに戻る。16年はチーム事情により中継ぎへ配置転換。ロングリリーフ、セットアッパーと様々な役割をこなし、50試合に登板し、登板数を大きく上回る78回2/3を投げた。

 先発ではしっかりゲームメイクし、リリーフではロング、ショートリリーフもこなせる非常にユーティリティーな投手。WBCではロングリリーフとして期待されているが、チーム状況によっては抑えを任されることも十分にありそうだ。


引退組では下柳が先発、リリーフで存在感


 現役引退組ではダイエー、日本ハム、阪神、楽天でプレーした下柳剛が当てはまる。ダイエー時代は94年にリーグ最多の62試合に登板するなど、リリーフで活躍。96年に移籍した日本ハムでも、97年から3年連続60試合に登板するタフネスぶりを発揮していたが、00年に36試合中11試合で先発をすると、01年は21試合先発を務めた。

 阪神に移籍した03年以降は本格的に先発に転向し、18年ぶりにリーグ優勝した03年に10勝、05年には規定投球回に届かなかったが15勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得。この年から4年連続で2ケタ勝利を挙げた。

 先発、リリーフの両方をこなした下柳だが、牧田のようにシーズン中に先発と抑えの両方を経験するといったことはなかったようだ。

 その他、西村健太朗(巨人)、山井大介(中日)、元中日のネルソン、元オリックスのマエストリなども“便利屋”といえるだろう。先発や抑えに比べると、地味ではあるが、こういう存在の投手がチームを支えているといえるのではないだろうか。
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