12日の練習試合で1発含む4-4
今季から本格的に外野守備に取り組んでいる中日の遠藤一星が12日、「2番・中堅」で先発出場した韓国・ハンファとの練習試合で、ソロ本塁打を含む4打数4安打2打点の活躍を見せた。チームは18-1で大勝した。
遠藤は初回、ハンファ先発のベ・ヨンスから一塁手の脇を抜ける痛烈な二塁打を放つと、続く3回の第2打席では中前打。5回は代わったグォン・ヨンウから左前適時打を放ち早くも猛打賞とし、6回は4番手ジョン・ゼウォンから豪快な右越えソロを放った。
第1打席は一、二塁間を抜けた打球だったが、右翼手のポジショニングを見てすかさず二塁へ。3回はけん制悪送球の間に一気に一塁から三塁を目指したが、ここは間一髪タッチアウトとなり、追加点を呼び込むことはできなかった。それでも先の塁を狙う姿勢を見せ、持ち味であるスピードと積極性をアピール。中堅の守備では2つの飛球を無難に処理し、5回に襲った打球はライナー性の難しい飛球にも見えたが、素早く落下地点に入り危なげなくダイレクトで捕球した。
森監督は試合後、「初めて守るポジションであれだけ打つ選手がいれば、(レギュラー陣も)いつまでも安心していられない」と遠藤の活躍を評価。さらに、「いろんなことが考えられるオーダーが組めればいい」と続け、若手のアピール合戦を喜んだ。
遠藤は入団1年目の2015年に正遊撃手の座を掴みかけたが、度重なる故障に苦しみ定位置確保を逃した。2年目は前年の故障が守備面に悪影響を及ぼし、思い切りの良かった打撃も低迷。結局1年目を下回る27試合の出場にとどまり、昨秋から本格的に外野の守備練習に取り組んでいた。
今キャンプでは左翼メインで守備練習を重ねており、すでにコーチ陣からは高い評価を得ている。FA流出が危惧されていた大島洋平、平田良介の両主軸が残留し、外野の定位置確保は厳しい情勢となっているが、昨季は平田が故障に泣かされただけに、既存戦力の底上げはBクラス脱却に絶対条件でもある。
指揮官は昨秋の監督就任会見時から「広島の先の塁を狙う姿勢。ヒット1本で1点を取れる野球を見習わないといけない」と話しており、この試合も相手のハンファが6回に3安打放ちながら無得点だった攻撃を引き合いに出し、「ウチがやってきた野球と同じようだった」と自虐的に振り返った。
“堅守速攻”を目指すチームにおいて、そのスタイルに遠藤がマッチした人材であることは間違いない。既存戦力底上げの象徴ととして、14日から始まる第3クールでもガンガンアピールしてほしいところだ。