最後の分離ドラフト
今シーズンが10年目となる2007年ドラフト組。この年は大学生社会人ドラフトと高校生ドラフトの分離方式が取られた最終年度でもある。高卒で入団した選手は今シーズン28歳。10年目となればチームの主力となりベテランに差し掛かる年齢でもある。
ここで10年前に行われた最後の高校生ドラフトを振り返ってみたい。
11球団が高卒ビッグ3に入札
中田 翔:ソフトバンク、日本ハム、オリックス、阪神
佐藤由規:楽天、ヤクルト、横浜、中日、巨人
唐川侑己:広島、ロッテ
中田は日本ハム、佐藤由規はヤクルト、唐川はロッテが交渉権を獲得。入団交渉の末に全員が入団を果たしている。10年経った2017年、中田は侍ジャパンの主軸としてWBCに挑み佐藤由規は登録名を由規に変更。右肩の故障から昨シーズン復帰しローテーション入りを目指している。唐川も一時不調はあったものの昨シーズン後半からローテーションに定着。今シーズンもローテーション入りが期待される。
ドラフト前に高評価だったビッグ3が、そのままプロでも10年現役でプレーしており獲得に成功した3球団は当たりと言えそうだ。
各球団の1巡目獲得選手は?
高卒ビッグ3の抽選に外れた他8球団が指名した選手も寺田龍平(楽天)、丹羽将弥(オリックス)を除き現役でプレーしている。
ビッグ3ほどの活躍をしている選手はいないが田中健二朗(DeNA)は昨シーズン、セットアッパーとして61試合に登板。チームに欠かせない存在に成長した。
安部友裕(広島)もルナと併用ながら三塁の準レギュラーとして115試合に出場。25年ぶりの優勝に貢献。今シーズンはレギュラー奪取を狙う。
岩崎翔(ソフトバンク)は層の厚い投手陣の中で出番を掴み先発、中継ぎとして起用され重宝されている。
【2007年高校生ドラフト1巡目指名】
巨人:藤村大介(熊本工業高)
中日:赤坂和幸(浦和学院高)
阪神:高浜卓也(横浜高)
横浜:田中健二朗(常葉菊川高)
広島:安部友裕(福岡工業大城東高)
ヤクルト:佐藤由規(仙台育英高校)
日本ハム:中田翔(大阪桐蔭高)
ロッテ:唐川侑己(成田高)
ソフトバンク:岩嵜翔(市立船橋高)
楽天:寺田龍平(札幌南高)
西武:指名権剥奪
オリックス:丹羽将弥(岐阜城北高)
下位指名ではあの選手も
1巡目指名だけでなく下位指名からも現在の主力選手は多数育っている。
ソフトバンクの3巡目指名は中村晃だ。2012年から続いていた連続3割記録は途切れてしまったが、粘り打ちを持ち味としたいやらしい打者に成長。2015年のプレミア12では日本代表にも選出されている。
広島の丸佳浩もこの年のドラフト3巡目だ。25年ぶりにリーグ優勝した昨季は全143試合に3番打者で出場して、打率.291、20本塁打、90打点の成績を残し、リーグ優勝に貢献した。2チームの中心選手であることは間違いない。
指名権を剥奪された西武の最上位指名は武隈祥太だった。2年連続で60試合を超える登板を果たし左の中継ぎとして欠かせない存在となっている。
今シーズンが10年目となる最後の高校生ドラフト入団組。チームの中心選手となった彼らも現役生活の後半戦を迎えることになる。ケガをせず一年でも長くプレーしてもらいたい。