勝利に導く使者となれ
2月23日、WBCに挑む侍ジャパン日本代表が宮崎で始動した。
3月7日の初戦に向けて、一堂に介した侍戦士たち。世界一をめざす戦いがいよいよはじまる。
短期決戦において大きなポイントとなるのが、“ラッキーボーイ”の出現。2013年の前回大会で言うと、井端弘和がその役割を担った。
一次ラウンド初戦のブラジル戦、1点を追う8回表に鮮やかな同点タイムリーを放って逆転勝ちを呼び込むと、二次ラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦では1点を追う9回二死という絶体絶命の場面で打席へ。ここで一塁走者の鳥谷敬が決死の盗塁を成功させると、ここで井端は追い込まれながらも左中間へ弾き返すタイムリー。土壇場で試合をふり出しに戻す大仕事をやってのけた。
さらにさかのぼると、2006年であれば里崎智也、2009年には中島裕之(※登録名は当時のもの)といった選手たちが大活躍を見せたように、勝ち上がるチームには必ず勝利に導く使者のような存在が出てくるものだ。
神ががり的な活躍を見せた鯉の切り込み隊長
今回のメンバーで期待したい選手を挙げるならば、広島の田中広輔を推したい。
昨年のクライマックスシリーズでは、ファイナルステージの4試合で計12打数10安打、打率.833という大暴れ。切り込み隊長として驚異的な数字を残し、シリーズMVPにも選ばれた。
勢いに乗った時の力は折り紙付き。今回の代表では坂本勇人という不動の遊撃手がいるものの、ベンチの切り札としてチームを前進させるような活躍に期待がかかる。
世界一奪還のカギを握るのは...。今大会もラッキーボーイの出現に期待したい。
【WBC・過去のラッキーボーイ】
▼ 第1回(2006年)
・里崎智也
8試 率.409(22-9) 本1 点5
☆全8試合でマスクを被り、世界一に貢献
☆大会ベストナインにも選出
▼ 第2回(2009年)
・中島裕之
7試 率.364(22-8) 本0 点6
☆主に2番打者としてチームトップの打率をマーク
☆準決勝からの2試合で8打数4安打、3打点と大活躍
(※登録名は当時のもの)
▼ 第3回(2013年)
・井端弘和
6試 率.556(18-10) 本0 点4
☆2度に渡りチームの窮地を救う一打