ニュース 2017.02.25. 07:45

“投手四冠王”に期待がかかる投手は?

無断転載禁止
広島のジョンソン

広島・ジョンソンは昨季沢村賞


 2リーグ制後、杉下茂、杉浦忠、稲尾和久、木田勇、江川卓、野茂英雄、上原浩治、斉藤和巳が投手四冠王(最優秀防御率、最多勝、最多奪三振、勝率第1位)を達成している。80年以上の歴史のあるプロ野球で“投手四冠王”を達成した選手はわずかに8人。2006年の斉藤を最後に12年間達成者が出ていないことを考えると、かなり難しいことがわかる。

 現役選手では、ジョンソン(広島)が“投手四冠王”に近い存在といえるだろう。ジョンソンは来日1年目の15年に防御率1.85(リーグ1位)、14勝(リーグ2位)、勝率.667(リーグ2位)、150奪三振(リーグ5位)と奪三振を除く3部門でリーグトップ3入り。

 外国人ではバッキー以来52年ぶりに沢村賞を受賞した2年目の昨季も、防御率2.15(リーグ2位)、15勝(リーグ2位)、勝率.682(リーグ2位)、141奪三振(リーグ5位)と奪三振を除く3部門でリーグトップ3に入った。奪三振数がネックになっているが、三振の数が増えれば“投手四冠”も夢ではない。

 菅野智之(巨人)も当てはまりそうだ。昨季は2年ぶりに最優秀防御率に輝き、189奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得した。菅野はジョンソンがネックにする奪三振能力が非常に高い。一方で昨季は打線の援護なく敗れたケースが多く、9勝にとどまった。安定度はリーグ屈指の投手であることを考えると、“投手四冠王”になるためには、1点を守り切ることが求められる。


千賀、大谷に期待


 パ・リーグは、千賀滉大(ソフトバンク)が“投手四冠王”を狙えそうだ。千賀は昨季投手タイトルを獲得できなかったが、181奪三振(リーグ2位)、防御率2.61(リーグ3位)、12勝(リーグ4位)。勝率は.800を記録したが、13勝以上挙げた投手の中で、最も高かった投手に与えられるためタイトル獲得ならず。それでも規定投球回に到達した投手の中では最も高い勝率だった。今季も昨季のような安定した投球を披露して欲しいところだ。

 また、投手と野手の二刀流・大谷翔平(日本ハム)にも期待したい。昨季はシーズン途中に右手のマメを潰した影響もあり、3イニング足りず規定投球回に到達できなかったが、10勝、防御率1.86、174奪三振を記録した。15年は最優秀防御率、最多勝、勝率第1位と“投手三冠”に輝いた。右足首の故障で開幕に間に合うか微妙だが、1年間ローテーションを守ることができれば、“投手四冠”に期待がかかる。

 その他にも則本昂大(楽天)、野村祐輔(広島)、武田翔太(ソフトバンク)、和田毅(ソフトバンク)といった投手もいるが、今季13年ぶりに“投手四冠”に輝く選手は現れるか注目だ。
ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西

メジャーリーグ

高校・育成