外国人もオープン戦でアピールが重要!?
『第4回ワールドベースボールクラシック』(WBC)の強化合宿がスタートし、WBCの戦いに向けた準備を進めているが、日本のプロ野球もいよいよ25日からオープン戦が始まる。ルーキー、新外国人は、開幕一軍を目指し、ガンガンアピールしていきたいところ。
ただ、オープン戦はあくまでシーズン開幕までの準備期間。外国人に限るとオープン戦で活躍しながらも、シーズンに始まるとパタリと当たりが止まるケースが多い。逆にオープン戦では当たりがなかったが、シーズンに入って覚醒する選手もいる。オープン戦だけで当たり助っ人かはずれ助っ人かなかなか判断できないのが現状だ。
ここでは、『オープン戦で活躍もシーズンで活躍できなかった助っ人』、『オープン戦で活躍できずもシーズンで活躍した助っ人』、『オープン戦、シーズンともに活躍した助っ人』、『オープン戦、シーズンともに活躍できなかった助っ人』の4分類に分けて振り返っていきたい。
オープン戦で活躍もシーズンで活躍できなかった主な助っ人
ラヘア(ソフトバンク / 13年)
OP戦:20試 率.345 本2 点7
公式戦:111試 率.230 本16 点57
☆12年にカブスで16本塁打を放ち、オールスターにも出場したラヘアは、13年にソフトバンクに加入。オープン戦では打率.345をマーク。シーズンが開幕してからも3・4月は打率.306と好スタートを切ったが、5月以降は研究され打率が下降した。
ハーミッダ(日本ハム / 15年)
OP戦:12試 率.303 本2 点6
公式戦:50試 率.211 本1 点18
☆レアードとともに15年に加入したハーミッダ。レアードがオープン戦で苦しむ中、ハーミッダは打率.303をマーク。シーズン開幕戦ではいきなりマルチ安打を達成し、開幕から8試合連続安打を記録した。開幕直後の活躍がピークで、その後は打率が下がり、打率.211でシーズンを終えた。
ボグセビック(オリックス / 16年)
OP戦:15試 率.300 本2 点4
公式戦:60試 率.187 本3 点18
☆オープン戦、開幕直後は機能していたものの、4月半ばからパタリと当たりが止まる。レギュラーとして期待されながらも、その役割を果たすことができず一二軍を往復。日本の投手に対応ができず1年限りで退団となった。
オープン戦で活躍できずもシーズン活躍した主な助っ人
ロペス(巨人 / 13年)
OP戦:17試 率.220 本1 点4
公式戦:121試 率.303 本18 点55
☆マリナーズ時代にイチローと1、2番を組んでいたロペスは、オープン戦の打率.220に終わった。シーズンが開幕すると、開幕戦で初打席初本塁打を記録。その後も大きな好不調の波はなく、巨人の自前助っ人では初めて1年目に打率3割をマークした。
モーガン(DeNA / 13年)
OP戦:17試 率.152 本0 点3
公式戦:108試 率.294 本11 点50
☆オープン戦で17試合に出場して、打率.152と低調。シーズンが始まってからも打率.132と苦しみ、4月下旬に一軍登録抹消。5月に再昇格後も、しばらくは苦戦したが、6月に入ってから調子をあげた。規定打席に届かなかったものの、終わってみれば、打率.294をマーク。プレー面だけでなく、パフォーマンスでもファンを盛り上げた。
ゴメス(阪神 / 14年)
OP戦:4試 率.143 本0 点0
公式戦:143試 率.283 本26 点109
☆キャンプの合流が遅れ、オープン戦もシーズン終盤に4試合に出場したのみ。“ダメ助っ人”かと思われたが、シーズンが開幕すると、3・4月は打率.327、4本塁打、33打点の活躍。5月に調子を落とした時期があったが、シーズン通して安定した打撃でリーグトップの109打点をマークした。
レアード(日本ハム / 15年)
OP戦:13試 率.182 本2 点5
公式戦:143試 率.231 本34 点97
☆オープン戦で13試合に出場して打率.182。シーズンが開幕してからも日本の配球に苦しみ、前半戦が終了した時点で打率1割台。それでも栗山英樹監督は我慢強く起用し、日本に慣れた後半戦は復調。打率こそ.231だったが、本塁打はチームトップの34本塁打だった。
オープン戦、シーズンともに活躍した主な助っ人
マートン(阪神 / 10年)
OP戦:14試 率.354 本2 点3
公式戦:144試 率.349 本17 点91
☆オープン戦を打率.354で終えると、開幕後も好調を維持。7月を除き全ての月で、月間打率3割以上をマーク。特に9月は月間打率.412、40安打を放った。マートンは1994年にイチローが記録したシーズン最多の210安打を超える214安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得した。
ルナ(中日 / 13年)
OP戦:17試 率.313 本0 点4
公式戦:85試 率.350 本9 点51
☆オープン戦で打率.313を記録すると、シーズンが開幕してからも勢いは止まらず、3・4月は打率.398。5月終了時点で打率.400をマークするなど、球界初の4割打者誕生に期待が高まったが、6月以降は故障に泣いた。打率は.350をマークする活躍を見せたが、規定打席に届かなかった。
アブレイユ(日本ハム / 13年)
OP戦:13試 率.310 本3 点10
公式戦:138試 率.284 本31 点95
☆春季キャンプのテストで入団したアブレイユは、オープン戦で打率.310、3本塁打を記録。公式戦でも3・4月月間トップの9本塁打を放つと、6月も月間7本塁打をマーク。シーズン31本塁打を放ち、本塁打王のタイトルを獲得した。また、中田翔が故障で離脱した後、4番を務めた。
オープン戦、シーズンともに活躍できなかった主な助っ人
ユーキリス(楽天 / 14年)
OP戦:15試 率.158 本0 点1
公式戦:21試 率.215 本1 点11
☆メジャー通算150本塁打を放ち、前年活躍したジョーンズ、マギーのような働きが期待されたが、オープン戦で躓く。開幕してからは、左足かかとの痛みを訴え4月下旬に二軍落ち。シーズン途中で退団し、メジャー時代の力を発揮することができなかった。
ロマック(DeNA / 16年)
OP戦:15試 率.156 本2 点4
公式戦:30試 率.113 本0 点2
☆開幕前に5番打者として期待されたロマックだが、オープン戦の打率.154に終わると、シーズンが始まってからも33打席連続無安打と良い所を見せることができず。ラミレス監督の期待に応えられず1年限りで退団となった。
ヘイグ(阪神 / 16年)
OP戦:10試 率.194 本0 点1
公式戦:31試 率.231 本2 点11
☆オープン戦の打率.194と低迷したが、中日との開幕3連戦では3試合連続タイムリーを放ち、好スタートを切った。しかし、打撃不振、外国人枠の兼ね合いなど、一、二軍を往復。開幕直後の勢いを取り戻すことができなかった。