昨季打てる捕手としてブレイクした阪神の原口文仁が、本格的に一塁に転向することになった。
原口のように捕手から一塁へ転向した選手をみると、巨人の阿部慎之助がいる。長年巨人の正捕手に君臨した阿部は、15年に武器である打撃力と故障を抱えていたため、一塁へコンバート。しかし、同年、正捕手候補として獲得した相川亮二の故障と、当時2年目の小林誠司に不安定さがあったため、阿部は捕手として23試合に出場。それでも一塁ではチーム最多の77試合に出場した。
プロ16年目の昨季は一転して、捕手での出場は0。一塁で84試合に出場した。規定打席に到達しなかったものの打率は12年以来4年ぶりに3割(.310)を超え、本塁打も16年連続で2ケタ本塁打を達成。全盛期とまではいかないものの、守備の負担が軽減され、復活した印象だ。
すでに現役を引退しているが、小笠原道大は原口のように20代のときに、捕手から一塁へコンバート。入団3年目の99年に一塁へコンバートした小笠原は、これが飛躍のきっかけとなった。首位打者、本塁打王、打点王といった主要打撃タイトルを獲得し、11年には通算2000安打を達成。一塁だけでなく、三塁にも挑戦した。
右打者では、北川博敏もそうだ。プロ入りから6年間プレーした阪神時代は、捕手を務めていたが、近鉄に移籍後は本格的に一塁に挑戦。移籍1年目はリーグ優勝を決めた試合で代打逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなど代打での出場が多かった。04年に一塁のレギュラーに定着し、自身初となる規定打席に到達し、打率.303、20本塁打、88打点とキャリアハイの成績を残した。近鉄の合併消滅により、05年からオリックスでプレー。05年と07年に一塁で100試合以上出場。12年限りで現役を引退した。
その他、田淵幸一、衣笠祥雄、吉永幸一郎、高木大成らも捕手から一塁へコンバートした選手だ。今季から本格的に一塁に挑戦する原口は、レギュラーの座を掴み、彼らのように活躍できるか注目だ。