◆ 頼もしい2選手が侍ジャパンへ
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を目前に控えた2日、青木宣親(アストロズ)が侍ジャパンに合流した。
さらに同日、体調不良により別メニュー調整を行なっていた鈴木誠也(広島)も復帰。軽快な動きを披露し、練習後には「全然問題ないです。感覚のズレも特になかったです」と笑顔も見せた。
2人の選手の合流は、侍ジャパンにとって嬉しいニュースだが、これで外野手のスタメン争いが激化したことになる。
◆ 確定的な筒香と青木
この争いでポジションがほぼ確定的なのは、小久保監督が4番と明言した筒香嘉智(DeNA)と青木宣親(アストロズ)の2人。
筒香はNPBLチャイニーズ・タイペイ選抜との壮行試合でも2試合連続でタイムリーヒットを放ち、結果を残した。
合流した青木についても小久保監督は「1番で使う」と公言しており、センターかライトでスタメン起用される可能性が高い。
◆ 各選手の成績は?
そうなると残ったのは1枠のみ。ここを秋山翔吾(西武)、鈴木誠也(広島)、平田良介(中日)が争うことになる。
ではまず、小久保ジャパン発足後の3人の成績を見ていこう。
【侍ジャパン・外野手候補】
秋山翔吾 22試 率.284(81-23) 2本 17点
鈴木誠也 5試 率.263(19-5) 1本 6点
平田良介 17試 率.378(45-17) 0本 14点
2013年の台湾遠征から代表に選ばれ続けている秋山が試合数で1位。国際試合では安定してヒットを積み重ね、打率.284を記録している。
2016年に頭角を現した鈴木は5試合のみの出場。同11月13日に行われたWBC強化試合では、5打数3安打1本塁打6打点の大活躍を見せており“爆発力”がある。
3人のなかで一番打率が高かったのは平田だ。14打点と打点数も多く、ポイントゲッターとして機能している。
加えて守備も上手く、2月28日に行われた台湾選抜戦の初回無死一、三塁の場面で王柏融のライトに飛んだライナー性の打球をスライディングキャッチ。犠牲フライとなり1点は入ったものの、飛び出した一塁走者を刺した。さらに8回一死一塁の場面では、ライト前ヒットで三塁を狙った一塁走者をアウトにした。
◆ ツーシームに強い平田
この3人の誰を起用するか迷うが、ここでは平田を薦めたい。
まず鈴木は“爆発力”はあるものの13日の試合以外は14打数2安打と、本来の能力を発揮できていない。調子を見極めての起用が無難と言える。残るは秋山と平田だが、ここで注目したいのはヒットの内容だ。
日本打線はこれまで動くストレートに弱く、28日の試合でもツーシームを投げるセゴビアを相手に4回で1安打しか放てなかった。
ではその1安打は誰が打ったか? 平田である。この試合だけでなく2015年に行われたプレミア12でも、動くストレートを投げるベネズエラ代表のガルシアから2安打。さらに、プエルトリコ代表のシントロンから1安打とヒットを重ねた。
以上の点を考えると、平田をスタメン起用するメリットは大きい。もちろん、動くストレートを投げる投手に“ここ一番”の場面で代打としてぶつける作戦もありだ。その場合は秋山と鈴木の併用になる。
プレミア12で好成績を残した平田が、キーマンになってくるのは確か。日本打線の大きな穴を埋める男の活躍に期待だ。