どうなる侍の捕手
開幕間近の侍ジャパンに立ちはだかる最大の不安要素は「捕手」かもしれない。
下半身に不安があった嶋基宏が、ここに来て侍ジャパンを離脱。代役として西武の炭谷銀仁朗が緊急招集されたが、正捕手不在のまま本番を迎える事態になってしまった。
所属する楽天の春季キャンプでも別メニューで調整を行っていた嶋。不安要素を抱えながらの代表合流となったのだが、その不安が現実となってしまった。
現在はフリー打撃を行えるまでに回復はしているというものの、試合出場は難しいとの判断が濃厚。試合に出場できないまま本番を迎えるのは厳しいということから、急遽の離脱が決まった。
泣いても笑ってもあと1試合
本来であれば、今回のWBCの正捕手は嶋というのが既定路線だったという。
リード面はもちろんのこと、経験豊富な男を小久保裕紀監督も高評価。かつては侍ジャパンの主将も任されたほどで、4年間の集大成となる戦いでマスクを任されるというのは自然な流れだろう。
それが、開幕直前になって白紙に戻ってしまった。代役の炭谷は経験からいうと頼もしいが、チーム戦術もままならないままの緊急参戦だけに、1次ラウンドは合宿からチームに合流していた大野奨大か小林誠司のいずれかの起用が濃厚だ。
ということで正捕手争いは一騎打ちとなるのだが、こちらも不安要素たっぷりの開幕を迎えることになる。
嶋不在の強化試合は、4試合中それぞれが2試合ずつスタメンマスクをかぶった。25日のソフトバンク戦、28日の台湾戦を担当した大野は、先発していずれも2打数0安打。リード面でもそれぞれ2失点、8失点と散々な内容だった。
一方の小林も世界舞台の圧力か、活躍どころか見せ場もないという状況。1日の台湾戦では2打数無安打。3日の阪神戦でも2打数無安打に加え、2打席連続三振と精彩を欠いている。
開幕までの強化試合は負け越しが決定。これは史上初のことだという。それに加えてこの捕手事情...。大野と小林の奮起が先か、はたまた炭谷が1試合で猛アピールを見せるのか。最後の実戦となる今日のオリックス戦で、“一家の大黒柱”は埋まるだろうか。