ニュース 2017.03.06. 11:45

世界一のカギは1次ラウンドにあり!? 覚えておきたい『球数制限』

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菅野と言葉を交わす権藤博投手コーチ

投手陣に一定の手応え


 3月5日の強化試合・オリックス戦をもって、WBC前の実戦をすべて終えた侍ジャパン。1日空けて、いよいよ7日から世界一奪還を目指す戦いがはじまる。

 本番までの5試合を2勝3敗と負け越した侍ジャパン。直前になっての嶋基宏の離脱もあり、不安の声は止まないが、小久保裕紀監督は手応えを口にした。

 特に投手陣に関しては「メドが立った」という指揮官。5日の強化試合では意図的な回跨ぎや回途中からの継投を試すなど、まさに本番を想定した起用で状態をチェック。大きな自信を掴んだ様子だった。



覚えておきたい「球数制限」


 試合の流れを大きく左右する“継投”――。大ベテランの権藤博コーチとの共同作業となるが、長いようで短く、短いようで長い大会を制するためには、投手陣のマネジメントが不可欠になる。

 すべてが想定通りに進めば何も困ることはないが、決してそうかんたんにはいかない厳しい戦い。実際にマウンドに立つ投手たちの力はもちろんのこと、ベンチの力というのも大いに試されることになるのだ。


 カギを握るのが、「球数制限」というルール。これを頭に入れておくだけで見る側のたのしみ方も変わってくるので、覚えておいて損はない。今大会の球数に関する規定は以下の通り。


【WBC・球数制限】

☆各ラウンドの上限
・1次ラウンド=65球
・2次ラウンド=80球
・準決&決勝 =95球
※ただし、打者の打席中に到達した場合は、その打席完了まで。

☆球数による登板間隔
・50球以上投げた場合 =中4日
・30球以上投げた場合 =中1日
・連投(球数関係なし)=中1日


 壮行試合や強化試合でこのルールは設けられていなかったが、ベンチも投手も当然この数字を意識していた。

 特に先発投手は65球という限られた数の中で、何イニングを消化することができるのか...。国際大会におけるエースには、その投球内容はもちろんのこと、“燃費の良さ”というものも求められる。


1次ラウンドをおろそかにするべからず...


 それでは、5試合の実戦を戦った侍ジャパンの先発投手と、いわゆる“第2先発”と呼ばれる投手たちの投球内容を振り返ってみよう。

▼ オープニングマッチ
<vs.ソフトバンク>
・武田翔太=39球 3回 3安打、3奪三振、無失点 
・千賀滉大=31球 2回 2安打、1奪三振、1四球、1失点

▼ 壮行試合
<vs.CPBL選抜>
・則本昂大=54球 3回 6安打、5奪三振、3失点
・牧田和久=36球 2回 6安打、1奪三振、1四球、4失点

<vs.CPBL選抜>
・菅野智之=58球 4回 4安打、3奪三振、無失点
・石川 歩=59球 3回 3安打、6奪三振、1失点

▼ 強化試合
<vs.阪神>
・武田翔太=53球 2回 4安打、1奪三振、2四球、3失点
・牧田和久=21球 2回 無安打、1奪三振、無失点

<vs.オリックス>
・藤浪晋太郎=34球 2回 2安打、2四球、2失点


 やはり際立つのが、60球以内で4回を無失点にまとめた菅野の好投。これぞエースという投球だった。

 則本も3失点という結果に目が行きがちだが、内容的には5つの三振を奪いながらも3回を54球でまとめている。登板が予定されていたオリックスとの強化試合は体調不良のため登板回避となったが、むしろひとつ休めたと思って本番に臨んでほしい。

 一方、武田は初戦のソフトバンク戦では3回を39球で無失点と好投したが、阪神との強化試合では2回まで53球を要する苦しい投球。初戦のキューバ戦で先発が予想されている石川も、3回まで59球と本来の力からするとやや厳しい結果に終わっている。


 もちろん抑えることができなければ元も子もないのだが、大会を勝ち上がっていくためには1次ラウンドから投手陣のフル回転というのは避けたいところ。1次ラウンドの戦い方が、その先で響いてくるという可能性は大いにあるのだ。

 いかに先発投手に仕事をしてもらい、後ろの投手を温存できるか...。監督と投手コーチの手腕にかかる部分は大きい。
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