「ここまできたらやるしかない」。そう語る27歳の顔はいつになく真剣だった。
侍ジャパンの中軸を担う中田翔が6日、世界一奪還へ向けて意気込んだ。
この日、東京ドームで前日練習を行った中田。フリー打撃では快音を響かせた。「コンディションは悪くない。最後の最後で自分のスイングを取り戻せた。後は気持ちだけ」とうなずく。
ここまでの道のりは長かった。日本ハムのキャンプ中に痛めた左手首の影響からか、不振が続いた。実戦では結果が全く出ず、報道陣の取材に苛立ちを隠せないこともあった。
それでも復調を信じ、バットを振り続けた。2月28日に行われた台湾選抜との壮行試合で待望の今季初安打。3日の阪神との強化試合では、新外国人メンデスから左翼ポール際に豪快な一発を放り込んだ。
「正直、気持ちの高ぶりはないですけど、明日球場がすごい雰囲気になったら、緊張感が増してくると思う」。中田にとっては2度目のWBC。チーム最年少23歳だった前回とは立場も気合も違う。
「ここまできたらやるしかない。失敗や負けることを恐れず、攻めて攻めて攻めていく」。頼れる侍の主砲は、どんな相手にも超強気で攻め込んでいく。