ニュース 2017.03.08. 11:30

キューバのネクストモンスター、上々のWBCデビュー

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WBCデビュー戦で3安打の活躍を見せたヨエルキス・セスペデス

輝いたキューバの新星


 ついに開幕した第4回ワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)。侍ジャパンは7日、キューバとの初戦に11-6で勝利。世界一奪還へ向け、白星スタートを切った。

 一方のキューバは終始劣勢の中で反撃を見せるも、投手陣が踏ん張れずに2ケタ失点で敗退。事前の対外試合から合わせて6連敗と、思うように結果がついてこない状況だ。

 そんな中、キューバにとっても開幕戦となった7日の試合で輝きを放った男がいる。19歳の新星ヨエルキス・セスペデスである。


上々の世界デビュー


 現在メジャーで最も成功を収めているキューバ人プレーヤーの一人、ヨエニス・セスペデスを兄に持つ19歳の外野手。カリビアンシリーズでも活躍を見せ、WBCでの“世界デビュー”に注目が集まっていた。

 7日の試合では「9番・右翼」で先発出場。3回に先頭で迎えた第1打席に、先発・石川歩のカーブに反応。打球がレフト線を破ってフェンスに到達する間に軽々と二塁を陥れる。

 その後、犠打で三塁に進むと、アヤラの犠飛で生還。反撃の口火を切る一打で同点のホームを踏んだ。

 さらにその後は7回の第3打席でも安打を放ち、9回にも初見で牧田和久の変則投法を捉えてライトへの安打。初めてのWBC、その初戦で3安打の固め打ちを見せた。


最初で最後のWBCとなる可能性も...


 まだ19歳と若いだけに、他の選手と比べるとその先の細さが際立っているものの、身体能力の高さは兄にも引けを取らない。

 荒削りながらパンチ力抜群の打撃に、あっという間にダイヤモンドを駆け抜けるスピード。そのスピードを活かした野性的な守備も魅力で、球速だけならチームの投手をも上回るのでは...と思われるほどの強肩も持ち合わせている。まさに次代を担うファイブツールプレーヤーだ。

 ただし、近い将来キューバを背負うような存在になるかというと、なかなかそうとも言い切れない。

 将来有望な選手ほど、常に“国外流出”という問題がチラつくのがキューバという国の事情。実際に兄も第2回WBCで大会ベストナインに輝くなど、キューバ代表の一員として若くから大活躍を見せていたが、2011年に亡命。それ以降はキューバのユニフォームに袖を通していないのだ。

 すでにメジャー各球団が目をつけているという話も出ており、身内に亡命を経て成功を掴んだ選手がいるというのもメジャー進出への追い風となることだろう。

 そう考えると、もしかしたら最初で最後になるかもしれないWBCでのプレー...。キューバの“ネクストモンスター”ヨエルキス・セスペデスから目が離せない。
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