光る守備
キューバ、オーストラリアに勝利した侍ジャパンは、今夜行われる中国戦を前に2次ラウンド進出を決めた。
2試合連続本塁打を放った筒香嘉智(DeNA)、初戦のキューバ戦に先発した石川歩(ロッテ)、オーストラリア戦で好救援をみせた岡田俊哉(中日)、千賀滉大(ソフトバンク)、同試合で決勝弾を放った中田翔(日本ハム)といった選手たちの活躍が光ったが、セカンド・菊池涼介(広島)の存在も忘れてはならない。
菊池といえば、広い守備範囲と強肩で普通の選手がアウトにすることが難しい打球もアウトにしてしまう。現在4年連続でセカンドのゴールデングラブ賞を受賞中で、日本国内ナンバー1のセカンドといえる。
WBCでも守備で、日本のピンチを救っている。初戦のキューバ戦、初回いきなり無死一、二塁のピンチを迎えると、キューバの至宝・セペダが放った打球は一、二塁間に飛んだ。ライトへ抜けそうな打球だったが、セカンド・菊池がスライディングキャッチ。素早くショートの坂本勇人へ送球し、4-6-3のダブルプレーを完成させた。
このプレーに菊池は「(打球が)飛んできたのでとりあえず止めようと追いかけた。(坂本)勇人さんを信じて投げました」と振り返った。
さらに9回にも一死一、二塁からアヤラが放った一、二塁間の打球を好捕。『ショウアップナイタースペシャル2017 WORD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド日本×キューバ実況中継』で解説を務めた里崎智也氏は試合後、「菊池選手のプレーは今日の試合の中でキーポイントだった」と話しており、菊池の好守備がなければ、違った展開になっていたかもしれない。
強化試合から打撃好調
菊池の売りは守備だけではない。2013年に広島の球団記録となるシーズン50犠打を達成するなどバントが上手く、右方向へチャンスを広げる打撃もできる。まさに理想的な2番打者だ。昨季はセ・リーグ最多安打のタイトルを獲得し、打撃力も年々あがっている。
2月25日に行われたソフトバンクとのオープニングマッチでは、チーム4安打しか放てなかったが、そのうちの3安打が菊池ということもあった。強化試合や壮行試合でも、打撃陣の状態があがってこない中、2月28日のCPBL選抜戦で3安打を放った。
本大会が始まってからも、初戦のキューバ戦で2安打、1打点、2戦目のオーストラリア戦でも1安打と、3番・青木宣親(アストロズ)、4番・筒香、5番・中田と続くクリーンナップの前を打つ2番の役割をしっかりと果たしている。
攻守で存在感をみせる『2番・セカンド』菊池涼介の活躍が、2大会ぶりの世界一へ近づいていく…。