19時から侍ジャパン vs 中国
7日に行われたキューバ戦と8日のオーストラリア戦に勝利した侍ジャパンは、10日東京ドームで中国代表と試合を行う。
既に1次ラウンド突破を決めた侍ジャパンだが、この試合も勝利し2次ラウンドへ勢いをつけたいところだ。
予告先発は侍ジャパンが武田翔太、中国が甘泉(ガン・チュエン)と発表された。
不動のエース、ブルース・チェン
今夜侍ジャパンが対戦する中国代表は、どんなチームなのだろうか…。
マクラーレン監督はキューバ戦で先発したエース ブルース・チェンについて試合後「投げるかどうかわからないが、日本戦で投げられるようなオプションを残したのは事実」と話しており、10日の試合で投げる可能性がある。
ブルース・チェンの実力は8日の試合で大いに発揮された。日本を相手に6点を奪った強力なキューバ打線を相手に、2回2/3を投げて無失点に抑えている。
この試合ではツーシーム、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球でかわす投球が光った。既に現役を引退しており年齢は40歳。ストレートの球速は130キロ半ばが精一杯だったものの、MLB通算82勝の実力を見せつけた。
全体的に球が遅い投手陣
では他の投手陣はどのような実力を持っているのか。
先発予定の甘泉は8日のキューバ戦で3番手として登板し、1回1/3を投げて被安打3、奪三振2という結果を残している。
この投手も最速が130キロ半ばだが、前回の試合では変化球をスライダーしか投げていない。また、四球こそ与えなかったものの甘い球が多く、細かい制球力が欠けているように見えた。
他に特徴的だった投手が、同じくキューバ戦で21球を投げた王蒙豪(ワン・モンハオ)。100キロ台のスローカーブを中心に120キロ台のストレートを織り交ぜる投球を見せた。この試合では1回2/3で2本の安打を許したが無失点に抑えており、1イニングだけであれば緩急の差で抑えられるかもしれない。
また鄭超群(チョン・チャオチュイン)もスライダー、カーブ、チェンジアップと中国投手陣のなかでは変化球が多く、キューバ戦で137キロを記録したように球速もそこそこだ。
内野手の守備に注目
一方の野手陣も非力さが目立った。象徴的だったのがキューバ戦で、わずか1安打の完封に抑えられている。
しかし、内野の守備は光るものがあった。特に二塁を守る杜暁磊(トゥ・シャオレイ)は俊敏さが目立つ選手だ。キューバ戦では、両チーム無得点で迎えた2回裏二死二塁の場面、セスペデスがセンター前へ放った打球を、二塁後方へ回り込んで捕り、一塁に送球してアウトを奪ったプレーは圧巻だった。
三塁手のレイ・チャンはメジャー昇格こそ無いもののマイナーリーグでプレーしており、身体能力が高い。
同じくキューバ戦の0-0で迎えた3回裏無死一塁、打者アヤラが放った痛烈なサード前の当たりをキャッチし、即座に二塁へ送球。さらに二塁の杜暁磊が一塁に送球しダブルプレーを奪った。
小久保監督も「三塁の選手は取ってから投げるまでが早い」と動きの良さを評価している。
中国の大谷翔平?
外野手の動きはいまいちだ。全体的に俊敏さに欠けており、左翼の孟偉強(モン・ウェイチャン)に至っては、キューバ戦4回裏にアヤラが放ったレフトへのライナー性の打球を、目測を誤り二塁打にしてしまった。
ただフォローをすると、孟偉強は捕手登録であり、慣れないポジションを守っていた。さらに6日に行われた西武との強化試合では、強肩を生かして三塁からタッチアップを目論んだ俊足の金子侑司を刺している。
ちなみに孟偉強はこの試合の8回裏には投手として登板し、大谷翔平(日本ハム)のような“二刀流”を披露した。10日の試合でも投げるかに注目が集まる。
日本に比べて力が劣る中国が勝利することは難しいと言える。さらに1次ラウンド敗退が決まっており、モチベーション低下も懸念される。侍ジャパンが3連勝するのか…。それとも中国が意地を見せるのか…。19時プレイボール予定の侍ジャパン vs 中国戦に注目だ。