第4回ワールド・ベースボール・クラシックは12日、東京ドームで2次ラウンドが開幕。侍ジャパンは初戦でオランダと対戦し、延長タイブレークの末に8-6で競り勝った。
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試合時間が5時間に迫る死闘となった一戦。試合後、記者会見場に姿を見せた小久保裕紀監督は疲れ切った表情で「あまり脳みそが動いてません」と語ったあと、競り勝った要因を尋ねられ、「最後まで勝ちたいという執念と、チームの和じゃないですかね。それしか最後はなかったと思う」と振り返った。
延長タイブレークとなった11回表、無死一二塁ではじまるこの回の先頭打者は鈴木誠也。昨季は打率.335、29本塁打、95打点と右の強打者として結果を残してきたが、小久保監督からはバントでいくことが伝えられる。その鈴木は次打者の中田に「バントでつなぐのであとは中田さんお願いします」と述べて打席へ。
そして11回表、昨季の犠打は「3」という先頭・鈴木が一発でバントを成功させ、一死二三塁で「頼りになる5番(小久保監督)」に打席がまわってくる。
鈴木の言葉を受けた中田は、「そのときに自分の中で一段と気合が入った気がした」と振り返り、「誠也のためにもなんとかして打ってやろうと思って打席に立った」。そしてオランダの7番手ストフベルゲンが投じた真ん中気味のストレートを見送ると、その初球よりもやや高めに浮いたボールをレフト前へ。鈴木が送った三塁走者の菊池涼介と二塁走者の青木宣親がホームに返り、これが決勝点となった。
鈴木と中田のやりとりをとっても、チーム内の雰囲気の良さがうかがえる。中田が「投手陣を楽に投げさせたい」と常々口にすれば、試合後のヒーローインタビューの際、9投手の継投で投手陣が1つになったかと尋ねらえた牧田は「投手陣というよりチームが1つになれたと思う」とチーム一丸を強調。試合も終盤に近づく連れ、ベンチも、そして観客席のファンも一体となり“結束”しているように感じられた。
指揮官が常々口にする「チームの和」や「結束」。それこそが、前回のWBC敗退後に発足した侍ジャパンが築き上げた“財産”に他ならない。そんなことを感じさせられた一戦だった。