ニュース 2017.03.13. 12:02

まさに“世界の千賀”、圧巻のフォークも「大げさなことじゃない」

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侍ジャパンで活躍した千賀滉大
 またもやこの男が、冷静にピンチをしのいだ。メジャーリーガー相手にも堂々のピッチング。まさに“世界の千賀”だ。

 取っては取られ、シーソーゲームのオランダ戦、1点リードで迎えた5回、千賀滉大がマウンドに上がった。

 相手打線は1番から始まる好打順。1番・シモンズに初球で中前打、続くプロファーに右翼線二塁打を運ばれ、無死二三塁といきなりピンチを迎えた。相手は現役メジャーリーガー。日本の力もここまでか、嫌な空気が流れた。

 しかし、この男が侍のプライドを守った。昨季メジャー21発の3番・ボガーツを見逃し三振に仕留めると、4番のバレンティンを空振り三振に斬る。そして、5番・グレゴリアスを一ゴロに。いつも冷静な千賀の顔からわずかな笑みが漏れた。

 「平野さんが良い流れを作ってくれた。ここで点をとられたら、流れがかわってしまう」と必死だった。「自分が出したランナー。自作自演なので何にも言えないですけど」と顔をしかめるが、抑えた時はほっと胸を撫で下ろしたという。

 続く6回も一死から二塁打を許し、得点圏にランナーを背負ったが、最後は9番のRa・オドュベルを137キロのフォークで空振り三振に斬った。多数のメジャーリーガーをそろえた強力打線。「ミスショットでも入ってしまうことがある。(バットに)当てさせるのが怖かった」とマウンドでの心境を吐露した。気迫のピッチングで2回を3安打3奪三振無失点と好投した。

 世界に通用するフォーク。「そんな大げさなことじゃない」と24歳は照れ臭そうに頭を掻くが、世界の頂へは彼の力なしではたどり着けないだろう。
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